魚の名前は、魚体の大きさや地域によって呼び名が違う場合が数多くあります。
成魚になるにつれて見た目が変わり、それに伴って呼び名が変わる魚もいれば、大きさ以外に見た目はあまり変わらないけれども成長するたびに名前が何度も変わる魚もいます。
そのような魚たちを“出世魚”と呼びます。
“出世魚”の名前の由来は、江戸時代まで武士は出世や元服に伴って名前を変えていたという慣習になぞらえ、成長とともに名前を変える魚を“出世魚”と呼び、縁起の良い魚として振舞われるようになったそうです。
今日は、代表的な“出世魚”について鮮魚担当・岩切さんに詳しく教えてもらいました。
■すずき
『すずき』は、動作はゆっくりしているけれど、飛び出た大きな受け口で海水ごと小魚をまる飲みする“凄まじい口”から名前が付いたとか、“濯ぎ洗いしたような白さ”だからといわれているそうです。
「魚体が20~30㎝の『せいご』に始まり、40㎝で『はね』、60㎝で『すずき』になります。
『すずき』は淡泊で上品な味の白身魚。ポワレや香草焼きがおすすめです」
「『すずき』は餌を追いかけて、外洋から淡水域の川まで移動します。
よく見ると、大和川でも見ることができますよ」
■平すずき
上が『ひらすずき』、下が『すずき』です。
「『平すずき』はすずきと名前が付いていますが、こちらは“出世魚”ではありません。
『すずき』とよく似ていますが、体高が高く、尾柄(びへい=尾の部分)がスズキより短く、鱗もびっしりです。
磯や外洋に面した岩場で生活し、豊富な磯の餌を食べて育つのでとってもおいしいです。僕は『すずき』よりも『平すずき』が好きです。甘みのある味はお造りがおすすめですよ」
■つばす
「地域によっても呼び方が異なりますが、これほどさまざまな名前を持つ魚は珍しいです。
明確に何㎝からどの名前に変わるというわけではないのですが、関西では10cm未満の稚魚は『もじゃこ』や『わかな』と呼ばれます。続いて20cmで『つばす』、40cmで『はまち』、60cmで『めじろ』と呼ばれ、80cmでようやく『ぶり』になります。
『つばす』と『ぶり』を見比べると、顔つきも違います。『つばす』のほうが『ぶり』より目が大きく、幼くてかわいいでしょ」
「成魚になるほど脂ののりがよくなり、旨みも増してきますよ」
■今日の入荷の出世魚
今日は、こちらも“出世魚”の『さわら』の兄弟分の『さごし』も入荷しています。塩焼きにおすすめです。
徳島県産『すずき』1尾 消費税込1,980円
京都府産『つばす』1尾 消費税込698円
富山県産『さごし』1尾 消費税込980円
■今日の缶詰
ずばり商品名の通り、その日に獲れた魚を水煮にしたシリーズの缶詰です。ストックしておくと、ちょっとした料理のアレンジに便利です。
うっすらと塩味が付いているので、サラダのトッピングにもおすすめです。
島根県産『今朝の浜 毎朝変わる旬魚缶(天然ぶり)』1缶 消費税込598円
売場はこちらです。
当面の間、10:00から19:00までの短縮営業とさせていただいております。
ご不便をお掛けいたしますが、何卒ご理解を賜りますようお願い申し上げます。
無印良品イオンモール堺北花田 2020.05.15