いよいよ夏本番。海で過ごすのが気持ちの良い季節の到来です。島国の日本に暮らし、海を身近な存在として過ごすにはやっぱり“海で楽しむのが一番!”。ということで、2021年7月1日に漁師体験ができる大阪・田尻漁港に行ってきました。
今回お世話になる漁師さんは第五海英丸さんです。
いつも漁師さんが実際に使っている漁船を使って“かご漁”と“刺網漁”に挑戦します。
前日から梅雨らしい雨が降り続いていましたが、乗船の直前に晴れ間となりました。空の神様が味方についてくれたようです。
エプロンと長靴、ライフジャケットを着て漁師さんらしい恰好になると気分が更に高まります。
始めは“かご漁”から体験します。
目印になる赤旗を目指します。最初のポイントは乗船して3分程で到着しました。
ここには前日の14時頃に冷凍いわしを餌にしたかご網が水深6mのあたりに仕掛けられています。
“かご漁”は、金網やプラスチック製のかごを静置させ、魚やカニなどの甲殻類を捕獲する漁法です。魚やカニが餌でおびき寄せられ、また入ったら逃げられないような形になっています。
漁師さんと一緒に引き上げていきます。どんな魚と会えるのかどきどきの瞬間です。
ぎょぎょー!『あなご』と『いしがに』が入っていました!
いくつものかご網を上げていくと、小さな『ふぐ』や『鯛』も見つかりました。
みんな、かごの中で元気に動きまわっています。
続いて“刺網漁”の目印の赤旗ポイントに5分程で移動します。
“刺網漁”は、魚の通り道に帯状の網を仕掛け、その網に魚が刺さったようになることから名付けられました。
水深10mのあたりに、高さ1m、長さ280mの網が仕掛けられています。網の上には浮子(あば= 浮き)、下には沈子(ちんし= おもり)が付いているので、海中で垂直に網が張れます。
網に水が含まれているので結構重たいです。
ぎょぎょー!いろいろな魚があがってきます。とても気になるので魚たちとふれあいたい気持ちはやまやまですが、ここは漁師さんに網から採ってもらい、私たちは同じペースで網を手繰っていきます。
280mも手で網を引くと少し疲れます。「漁師さんはいつも大変ですね」と声を掛けると「普段は電動で巻き上げますから」と笑って答が返ってきました。そりゃそうだ。
漁が終わると、関西国際空港の近くまでクルージングに出掛けます。
普段は見ることが出来ない海上から間近に空港を眺めることが出来ます。
ほら、飛行機!滑走路から広い空に向かって飛んでいきました。
再び雨が降りそうになってきたので、岸に戻ります。
自動車と違い、信号が無い海では船のスピードは想像以上に早いです。田尻の旗をなびかせて快調に進む船は、風をじかに感じ取れるので本当に気持ち良いです。
漁師さんは陸に戻るとすぐに魚たちを調理してくれました。
『めいたがれい』『がんぞうがれい』『ひらめ』『舌平目』にも出会えました。
『あなご』は捌かれた後でも動いているほど元気です。
『がしら』の目の透明感が、愛嬌のある顔に輝きを添えます。
『あかはた』の鮮やかな赤い模様がとても美しいです。
『いしがに』は元気にはさみを振り上げています。
お土産にいただいた魚たちは天ぷらや煮魚に料理しました。
前回の魚釣りの時と同じでかわいそうな気持ちもあったのですが、今回は自分の身体になってもらうように感謝しながら大切な命をいただきました。どの魚を食べても食感はふんわりと柔らかいのですが、しっかりと身は引き締まり脂ものっていてとってもおいしかったです。
食べながら改めて感じたことは、網というフィルターを通して海の中を見ると同じ海域に多種多様な生きものが共存しているのがわかり、熾烈な争いの中でみんな頑張って生きているのは地球上のどこに行っても同じだなぁと。
今回気心の知れた仲間たちと一緒に、美しい海を見て、おいしい魚を食べて、気持ちの良い潮風をあびて、波の音を聴いて、自らの五感で体感した海の感動でますます海を好きになりました。これからも魚たちの声に耳を傾けて海を大切にしていこうと思います!
第五海英丸さん、取材にご協力いただきありがとうございました!
漁業体験の申し込みはこちら https://www.tajiriport.com/gyogyoutaiken.html
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