「何がなくても、自然があれば生きていける」あれこれ便利なものがあったり、守らなければならないこともあるけれど、自然があればそこから食を得て、住まいをつくり生きていくことができる、そうやって自給自足を自然環境にあわせてしていくことが大切であると仰っています。
小田原は古く、縄文時代から住み暮らしている土地で江戸時代(300年程前)からみかんをつくっていたそうです。その土地の50年、100年、200年先の将来を作っているという気持ちで、地域の自然環境の整備や保全、耕作放棄地の活用、古民家活用等にも取り組まれています。
温暖な気候と湘南の海風が通る小田原は柑橘栽培に最適な条件が整っている名産地のひとつです。あきさわ園の柑橘の育てられている山から海はすぐそば、海の向こうに遠くは千葉県まで見える程の山の上にあります。そこでは神奈川県ならではの柑橘「湘南ゴールド」やブルーベリー、キウイフルーツ、たまねぎ等季節に応じて様々な農産品が育てられています。
「湘南ゴールド」は神奈川県でしが生産されていない希少な柑橘で、糖度が高く、甘さと酸味のバランスが良い、きれいなレモンカラーと上品でさわやかな香りが特徴です。正規品の流通量は少ない為、市場で見かけることが少ない柑橘ですが、農産品でつきものの規格外品は当然発生をしています。
あきさわ園の秋澤さんはそのような規格外品を「個性豊な実」と表現しています。「人間にも個性があるように、果実にだって個性がある。そんな風にできた収穫品を考えられませんか?」と問われています。自然と共生し、できたものを大切にいただくという思想はこれからの未来に必要なことだと考えれておられるそうです。
それ故、できたものを余すことなく使生きるために規格外の果物をジュースやジャム等の商品にして販売したり、ピュレや砂糖漬けに加工して地元企業に出荷したりしています。無印良品ともそういった果実を丸ごとつかったお菓子の開発を地元企業と一緒に取り組みました。