日本一のあんずの里、長野県千曲(ちくま)市、森・倉科地区。なだらかな傾斜地には、春にはあんずの淡いピンクの花が咲き誇り、「一目十万本」と呼ばれるあんずのお花見を楽しむことができます。
この地で本格的に栽培が始まったとされるのは今から300年以上前。ガラ土と呼ばれる水はけの良い土壌と、吹きだまりと称される気候風土があんず栽培には適しており、良質で結実のよいあんずが栽培されてきました。
そんなあんずの里でも、近年の農家の高齢化や農産物価格の低迷の影響もあり、あんず畑は徐々に減少傾向にあります。「このままではあんずの里が終わってしまう。次の世代にあんずの里を引き継いで行きたい」と、地域の60~70代のあんず農家の父ちゃんたちで立ち上げたのが、「NPO法人あんずの里振興会」でした。
2011年に設立以降、市から委託を受けたあんず畑や、高齢化で続けられなくなった農家の畑などを管理。新たにあんずの樹を子供たちと一緒に植えるなど、次世代へあんずの里を継承していくために汗をかいています。
収穫前に雹が降ったらおしまいなど、天候に左右されることの多いあんずの実。昨年は不作に見舞われましたが、今年は今のところ豊作見込みとのことです。なかなか生で食べられる機会の少ないあんずを、是非ご賞味ください。