実体験から生まれた、アイデアコースター

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諸国良品

2015/01/30

瓦工場で家業を手伝っていた新垣拓史さんが、仕事後に工場でお酒を飲んでいた時のこと。泡盛を割るためのアイスピッチャーが結露で水浸しになっていたので、傍にあった赤瓦を敷いたそう。するとぐんぐん水滴を吸い込みました。湿度の高い沖縄では、冷たい飲み物はコップの下におしぼりを敷くのが定番でした。実用性に富み、沖縄らしい赤瓦コースターは瞬く間に定着。新垣瓦工場は、着実に赤瓦の新しい可能性を広げていっています。

晴れていても突然雨が降り、すぐにまた晴れるという沖縄の気候。赤瓦は雨を吸収し、晴れた時に蒸発させ、気化熱によって家の中を涼しく快適に保ってくれます。

瓦に適した良い土と燃料の木があったことから、那覇東部の港町、与那原(よなばる)町は赤瓦産地に。現在も瓦工場を散見しますが、建築様式の変化から、需要が低迷しているのも実情です。

そんななか、新垣瓦工場では「世界に通用するどこにも真似できない赤瓦コースターを作りたい」と決め、技術を要する、織物のレースを瓦で表現することに。約1年の試行錯誤の結果ようやく完成しました。

赤瓦と比べて薄いコースターは乾燥の仕方にも工夫が必要です。吸水性も焼き方によって変わってくるといい、赤瓦で培われた技術が繊細さを極めながら、コースター製造に活かされています。

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生産者紹介

  • 供給者画像:生産者名 株式会社新垣瓦工場

    生産者名 株式会社新垣瓦工場 詳細

    昭和26年創業の瓦製造会社。伝統的な沖縄の屋根材である赤瓦に、新しいアイデアを加えて、2005年に「赤瓦コースター」を生み出しました。開発者の新垣拓史さんは、「沖縄のモノづくりはこれまで観光に頼ってきた部分が大きい。今後は、どこかに沖縄らしさを残しておきながらも、自然と日常に取り入れられて、実はメイド・イン・沖縄という、他が真似できない質の高いモノづくりをしていきたいです」と語ります。

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    古くて素朴で新しい、赤瓦