江戸切子はもともと江戸のビードロ問屋が輸入品を模して作ったのが始まりといわれています。吹き成型によって作られている硝子生地が2層になっており、回転する円盤状のダイヤモンドの刃で硝子の表面を削って、模様づけをします。
薄い硝子を同じ深さで削っていくので繊細な力加減と技術が必要。「一品ものではなく、同じものを幾つも作れる技術が必要。一日中作業できるように、手に力を入れすぎてはダメ」と職人歴21年の職人さんは語ります。
また、削りに加えて、磨きの工程も重要です。最近は、手磨きの代わりに薬品を使って仕上げてしまうところも多いなか、熟練職人の手磨きによる作業はより一層シャープに仕上げることができます。
ちなみに赤や青などの色つきのイメージが強い江戸切子ですが、昔は透明ガラスに切子細工を施したものが主流でした。斜めに交差する織物をイメージした「あられ紋」が光の輝きを演出します。