「先代から独立心が強く、業者を通さずに直接卸売市場にみかんを持って行っていましたね」と話す、5代目の児玉典男さんは、その独立心を受け継ぎ、日本でインターネットが普及し始めてすぐに通信販売を開始しました。そしてお客様の声を元に現在のこだわりの栽培方法に行き着いたそう。
土づくりには堤防の草や街路樹のチップ、鶏糞、牛糞などを発酵させた自家製堆肥を使用。黒点病の原因となる枯れ枝や害虫を手作業で取ったり、できるだけ農薬や肥料に頼らず、樹々の持つ力を最大限に引き出すように剪定や摘果を行ったりしています。
また、残留農薬を抑えるために最終の散布から収穫まで最低60日以上期間を空けるようにし、すべての樹の果実、なかでも味の悪そうなものをを味見して、樹の選別を行いながら収穫しているといいます。さらに、機械選別による味の劣化を防ぐために選別はすべて手作業で行うなどの徹底ぶり。
そんな愛情をたっぷり受けて育ったみかんの味を児玉さんは「実家のお母さんから届くようなみかん」と表現しています。「母親は我が子には一番美味しいみかんを食べさせてあげたいと思って育てますよね。安心・安全のために防腐剤やワックスも一切使用していません」と話します。
みかんの名産地というイメージの強い和歌山県ですが、実は柿や八朔などの生産量も全国1位を誇ります。「観音山フルーツガーデン」では「地元のフルーツを盛り上げたい!」と自社農園以外のフルーツも販売。2007年に家業を継ぎ、ネット販売の礎を築いた6代目の児玉芳典さんは「だれが、どこで、どんな想いで作ったフルーツなのかをきちんと伝えていきたい」と語っています。
“果物語”の詰まった観音山のフルーツをぜひご賞味ください。