水鳥工業の下駄づくりのポイントの一つは、足を優しく包み込む鼻緒つけ。履いた時に足にフィットするよう、鼻緒をつける時に足の専門家が作る“ラスト”と呼ばれる足型を下駄台に合わせて行います。過去にサンダル用の天板製造やシューズの中底加工をしてきましたが、その技術が生かされています。
また、一日中履いていても足が疲れないように、左右の足裏のラインに気持ち良くフィットする木地部分は、職人さんの手彫りで仕上げています。足にピッタリするため、走ることも可能。水鳥工業の下駄を履くと、血流循環量が活発になり、体の重心も最適な位置に近づくそう。
「下駄は平和な時代に進化する履物。いつまでも下駄を履いて暮らせる平和な時代が続いてほしい」と社長の水鳥正志さんは話します。最近では静岡産ヒノキを用いた下駄や、新しいタイプの室内履きづくりにも挑戦。森からの恵みを受けて暮らすなか「少しでも恩返しをしたい」という想いから、地元の木を積極的に活用しています。
ふんわりとした木の感触と、クッション性のある優しい履き心地が特長のルームシューズは、軽くて柔らかい素材が裏に使われているため、歩く際の音も気になりません。スニーカーを履いているように足裏の動きに沿る、しなやかに曲がるソールは、2枚のヒノキを伸縮素材でつなぐことで実現。木の履物とは思えないスムーズで柔らかい動きを実感できます。