七尾市のある能登地方は、信仰心の厚い土地柄です。また、七尾港が栄えていたため、原料の仕入れや運搬が可能であり、ろうそく生産が古くから盛んでした。
石油を分留して作られるパラフィンを主な原料にする西洋ろうそくに対し、高澤ろうそくの作る「和ろうそく」は、ハゼの実やヤシ、菜種などの植物ロウから作られ、環境にも優しいものです。
和ろうそくの灯芯は、円筒状の和紙にイ草を巻き付けたものを使用します。芯の中心が空洞のため、ろうそくが燃えている間も常に酸素が供給され、力強い炎が生み出されます。
高澤ろうそく店では、能登の里山保全のため、輪島産漆を使ったろうそく開発も行うなど、「石川県を知ってもらいたい」と、地域の未来にも光を灯しています。