祖父の畑で若き担い手が育てる、青森・田子のにんにく

キービジュアル画像:祖父の畑で若き担い手が育てる、青森・田子のにんにく

諸国良品

2018/09/14

青森県と秋田県、岩手県に接する内陸の山間にある「田子(たっこ)町」。山岳地帯の特徴的な気候で一日の寒暖差は激しく、夏は30度を超える日もあり、冬はマイナス10度に達する日もあります。大自然に囲まれた小さな町から、全国にその名が知られる「たっこのにんにく」が生まれたのは1970年代。市場で生産・品質ともに日本一の評価を得たことがきっかけとなり、まちおこしの一環としてブランド化。東北地方では初の地域団体商標に採択されました。

日本一を誇る田子町のにんにくですが、現在その農家の数は245件ほどと言われています。田子町でも高齢化は進み、50代の農家でも若いと言われるほど。そんな町でわずか26歳で農家になったのが宮村祐貴さん。かつては田子町を離れ、東京で働いていたこともありました。

にんにく農家を始めるきっかけは、父親の病気でした。家族のことを考え、宮村さんは東京から故郷に戻ることを決め、そこで仕事として選んだのが、祖父が残してくれたにんにく畑を使ってにんにくを作ることでした。

両親が農家だったわけではないため、手探りの連続だったと振り返ります。そんな中、周囲の農家から聞かされる祖父の偉業やエピソードの数々。そして祖父が書き続けていた十数年分の日記には、農作業の内容や天候といったさまざまな記録が残っており、宮村さんにとってまさに教科書となりました。

祖父の偉大さを知るとともに、祖父が作っていたにんにくの美味しさに改めて気づくことになります。そして、祖父が作っていたにんにくを受け継がなければいけないという使命感にかられるようにもなりました。

宮村さんは乳酸菌、酵母菌、納豆菌などを使用しながら、にんにくと向き合い、環境や自然と対話をしながら日々奮闘してします。「青森で農業を始めたことで逆に視野が広くなり、『食』『農』を通じて社会や経済のことまで考えるようになった」と話します。

子どもが生まれたことも宮村さんにとってはさらに深く「食」を考える機会となりました。子どもたちに安心して食べさせられるような作物を作っていきたい。宮村さんのそんな思いがつまったにんにくです。

生産者紹介

  • 供給者画像:生産者名 みやむ~のにんにく。

    生産者名 みやむ~のにんにく。 詳細

    「かっこいいと思う百姓でありたい」と話す宮村さん。スキンヘッドにヒゲをたくわえるその独特のスタイルで、一人でも多くの農家を増やしたいと宮村さんは笑顔を見せます。連作障害を避けるために作るようになった大豆や小麦、えごまなども販売し、さまざまな地域活動にも積極的に参加しています。

関連商品