山々に囲まれ水はけのよい傾斜地を有する四万十川中流域は、かつては栗の有数の産地として知られていました。しかし、安い海外産や高齢化の影響で、徐々に山は荒れていっていました。そんな状況を見た四万十ドラマでは、まず栗を“渋皮煮”に加工して販売することによって、原料としての栗に付加価値をつけ、経済を生み出していくことに成功。2008年からは自分たちでも毎年栗の木を植えて、山の再生にもつなげています。
四万十ドラマが作る「しまんと地栗」の特徴はその甘さと大きさ。太陽をしっかり浴びて育ち、朝晩の寒暖差が大きいことが実に糖度を蓄えやすくするそう。また、朝霧に包まれることで四万十川のミネラル分が栗にもたらされます。
そして蒸すと糖度がおよそ20度とメロンよりも甘くなるといいます。加工する際は栗自体に十分な甘みがあるので砂糖を控えめにすることで、栗本来の味わいを楽しむことができます。
2015年4月には地栗を使ったオリジナルスイーツを提供する「おちゃくりcafé」をオープン。季節ごとに表情を変える四万十川の絶景を眺めながら、地元で育った栗スイーツやお茶を味わえるとあって、注目のスポットとなっています。
さらに四万十ドラマでは、自分たちが経験したことを他の地域へ活かす「ノウハウ移転」の取り組みにも力を入れています。沈下橋のある風景や広がる大自然に想いを馳せ、四万十に生きる人々の声に耳を傾け、本当の豊かさが何かを問い続ける。そして、それを新しい環境観光産業として発信しています。