カリカリ、ポリポリ、スモーキー。やめられない味、いぶりがっこ。

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諸国良品

2015/01/30

漬物と言えば、漬物樽に重石が乗っているイメージですが、秋田県湯沢市の雄勝地区では冬の時期になるとそのイメージを覆す漬物作りの風景を見ることができます。いぶし小屋と呼ばれる小屋から煙が登り、なんとも言えない香ばしい香りがあたりを包みます。昭和38年創業の雄勝野きむらやはこの焚き木干し沢庵の製法を確立し、“いぶりがっこ”という名前を名付けた生みの親です。今回は一度食べたらやめられなくなるいぶりがっこの魅力を伺いました。

がっことは秋田弁で漬物を表す方言です。もともとその香りの良さから「雅香」と言われたのが語源という説もあります。いぶりがっことは燻した漬物という意味でスモーキーな風味が特徴です。

四方を山に囲まれた雄勝地区は、日照時間が短く、降雪の時期が早いため、家の梁に大根をつり下げ、囲炉裏の熱と煙を利用して干しあげて漬ける“でこ漬け(大根漬け)”が作られていました。

数100本の大根を高い天井の梁に持ち上げるだけでも相当な力仕事です。男たちで声を掛け合い天井に吊るした後は、5日間燻し続けます。

「小屋の中に焚き木台をどこに何個置くか、薪を何本ずつ燃やすか、木の種類は何を混ぜるかなど組み合わせは無限大です」。この木村さんの言葉に経験からくる知恵の奥深さを感じました。

網手の女性たちは大根の太さ長さを調整して、だいたい1束は7~8本の大根を編んで作られます。燻す男性たちばかりではなく、網手の女性たちも力のいる仕事です。

編む・吊るす・燻す作業は1週間ほどで終わり、干し上がった大根に米ぬかと塩を振り、2ヶ月漬け込み発酵させるといぶりがっこの完成です。素材そのものの自然の風味を感じていただけます。

生産者紹介

  • 供給者画像:生産者名 雄勝野きむらや 木村吉伸さん

    生産者名 雄勝野きむらや 木村吉伸さん 詳細

    昭和38年創業、いぶりがっこ本舗きむらやの三代目。古来伝承の燻しの製法を守り、素材本来の自然な風味にこだわりいぶりがっこを作り続けている。口飽きしないいぶりがっこの風味をぜひお試しください!

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