東京で会社員をしていた頃は、「野菜の旬」なんて興味もありませんでした。仕事帰りにスーパーに行けば、普通に野菜は手に入るからです。農業をやって、自然はもちろん、季節や天候といった当たり前の存在がいかに尊いかを思い知らされます。
自分で野菜を作るようになり、「野菜本来の美味しさ」を感じます。毎日食べるものだけど、ちょっと特別な日のお料理に使ってほしい、そんな思いで栽培をしています。今日も家族とごはんを食べる、その有難みを野菜で伝えることが出来るのも農業です。
昨今、災害や異常気象が頻繁に起こるようになりました。大雨や日照りといった環境の変化をダイレクトに受ける農業だからこそ、柔軟な考えが必要です。大切な人とありふれた日常をこれからも、私の大きな夢です。
独立してわずか数か月ですが、既に来年への課題・改善点がいっぱい。それだけ挑戦した証と前向きに頑張っています。自然相手なので、「毎年1年目」。そんな地域の大先輩の言葉を胸に、少しずつ前に進み続けることが出来ればと思います。
農業の面白いところは、「全て自分次第」な点です。種をまく時期、品種、どういったお客様にお届けしたいかなど、常に勉強をして、その年の天候を見て、自分で判断します。うまくいくかどうかは正直分かりませんが、生涯学び続ける最高の仕事です。
これからの農家は、野菜が食卓に届くまでのプロセスをお客様に伝えることと、地域を担うことも重要な仕事と考えます。「大きな夢農園」は、収穫体験などを通じて、農業と地域の現状を伝え、子供たちにより豊かな未来を渡せるよう取り組んでいきます。