沖縄の発展を支えてきたパイナップルと共に生きていく。【長浜商店】のパイン

沖縄の発展を支えてきたパイナップルと共に生きていく。【長浜商店】のパイン

諸国良品

2026/03/01

南国のイメージの強いパイナップルですが、事実、生産量全国シェア99.9%を占めるのが沖縄県です。1866年、石垣島沖で座礁したオランダ船から、川平湾に漂着したパイナップルの苗が、沖縄に伝来した起源といわれています。大正~昭和初期にかけてパイナップル栽培は本格化し、戦後はサトウキビと並ぶ沖縄の二大基幹作物として成長しましたが、1970年代以降の輸入自由化に伴い、安価な外国産との競争などにさらされます。そうしたなか、缶詰などの加工用から、生食用に切り替えながら、沖縄を代表する作物として成長していきました。

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「沖縄の発展を支えてきたパイナップルにもかかわらず、農家さんが儲かっていない。そんな構造を変えたかったんです」そう話すのは、「長浜商店」の具志堅仁さん。生まれも育ちも沖縄で、米軍基地などを横目に見ながら育ち、島人としてのアイデンティティが強くなっていったといいます。
「沖縄って良くも悪くも琉球王国をルーツに、日本・アメリカをミックスした“ちゃんぷるー文化”なんです。そんな沖縄が誇れるアイデンティティで、きちんと稼げるようにしなくてはいけない」そう思い立って、2003年に脱サラし、沖縄の産品を販売するネットショップを起ち上げるに至ったといいます。

はじめはパイナップルも、数ある沖縄の取り扱い商品の中の一つにすぎず、農家さんとも年に1回しか会わない関係だったそうですが、旬の季節以外にもふと「今は何やってるのかな?」と気になるようになり、やがてはちょくちょく飲みに行くように。
「それまでパイナップルがどうやってできるのか?パイナップルの花すら見たことない自分でしたからね(笑) 段々と知っていくなかで、それらをお客さんにも伝えていくことが自分の使命だと考えるようになりました」こうして当初のネットショップは友人に任せ、2006年に再出発し、徐々にパイナップルの伝道師としての役割を果たすようになります。

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「足しげく農家さんの元を訪ねていると、いつの間にか農作業も手伝うようになり、栽培法も教えこんでもらいました」その一人が山川さんという具志堅さんが師と仰いでいる農家さんで、それまではゴーヤなど多品種を手掛けていましたが、「お前がやるなら俺はパイナップルだけに絞る。そして全部お前に任せる」と専業に転換。それに応える形で具志堅さんも活動していったことで、やがて園地も任されるようになりました。今では具志堅さん自身も、自社で管理する農園を持つようになり、栽培の苦労を生身で感じながら、沖縄のパイナップルができるまでの過程をSNSで発信していっています。

「知れば知るほど、丹精込めて育てたパイナップルを無駄にしたくないと考えるようになっていったんですよね」そう話す具志堅さんは、ついに加工品も手掛けるようになります。冷凍保存していたパイナップルをどうにかおいしく食べることができないか。奥さんと試行錯誤しながらスイーツを開発し、パイやチーズケーキを生み出します。そして今度は、それらを食べてもらう場を作れないか。そんな発想が具現化していき、なんと2024年5月には“パイナップル専門スイーツ店”「Fine Pine Time」を沖縄市にオープンさせました。沖縄にあるようでなかったパイナップルスイーツは好評を博しているそうです。

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「パイナップルと一口に言っても、色んな種類があって、それぞれに風味が異なるんですよ」そう具志堅さんが話すように、生食用に進化を遂げた沖縄のパイナップルは多種多様。ピーチパイン、スナックパイン、ゴールドバレル、最近ではホワイトココなど、それぞれに個性があっておいしいんです。
「原料から沖縄で作れて製品化できる産品ってそんなに多くない。そんな沖縄の希少な財産であるパイナップルのことを余すことなく伝えていくことが、僕の使命だと考えています」そんな具志堅さんは、今日も沖縄各地の農家さんと連携しながら、パイナップルの魅力を発信し続けています。

生産者紹介

  • 長浜商店

    生産者名 長浜商店 詳細

    沖縄産パイナップル専門店として約20年。農家のことを伝えていく傍ら、農作業を手伝っていったところ、栽培法も教え込まれ、やがては自社で管理する農園も持つように。パイナップルを余すことなく使うべくスイーツも開発し、今ではパイナップルスイーツ専門店も運営。沖縄本島を始め、八重山諸島の農家と連携しながら、多種多様な沖縄のパイナップルの魅力を伝えていっている。

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