くらしのくふう
狭さも個性。軽やかでミニマムな一人暮らしの部屋|くふうを楽しむ3組のくらし①

2025/02/12
好きな食べものが人それぞれ違うように、家と人との関係も人の数だけ異なります。大切なのは、“どんな暮らしをしたいか” という想いと、それを実現するための工夫。小さくても自分の思い通りに過ごせる一人暮らしのワンルーム。趣味や仕事、好きなことを存分に楽しむアイデアが詰まった住まい。「こうなったらいいな」を積み重ねて、家族と一緒に作り上げた家。3組の家を訪ね、それぞれの「くらしのくふう」を見せてもらいました。
東京の閑静な住宅街にあるアパートの一室。1Kのコンパクトな間取り、和室の名残をとどめる味わい深いこの住まいに、岡田翔真さんは3年前に引っ越してきました。
「この物件は決して広くはないですが、立地はいいので少しだけ予算オーバー。でもそれ以上に、部屋のポテンシャルに惹かれて決めました。なんといっても大きな窓。角部屋ならではの二面採光で、キッチンと浴室にも窓があるので、開放感があります」
もうひとつ決め手となったのはこの場所。落ち着いた街の雰囲気と、カフェや飲食店、古着屋などの文化的なショップが交錯するこのエリアには、学生時代から愛着があり、今でも散策する楽しみが続いているそうです。

キャップやサングラスなど、小物はまとめてミラーの横に配置。賃貸でも気軽に取り付けられる「壁に付けられる家具 棚」は、ちょっとした収納にも最適です。
現在、PRやクリエイティブ制作の会社に勤める岡田さん。出社する時もあれば、自室でリモートミーティングや資料制作などの業務に勤しむ時もあるといいます。集中して作業できる環境に、デスクと椅子は不可欠。「スチールパイプシリーズ」のテーブルと折りたたみチェアは、コンパクトに収納でき、ポータビリティにも優れているところが気に入っています。「折りたたみできる椅子って、手狭な部屋ではすごく重宝するんですよね。掃除機をかける時や、部屋で撮影したい時に端に寄せたり。あと僕の場合は、朝ごはんを作ってその場で食べるのが好きなので、よくキッチンに椅子を持ち込んでいます」と気軽に配置替えできる家具に魅力を感じるそう。
さらにこの部屋には、空間を効率的に活用し、快適に暮らす工夫が溢れています。フローリングの上から敷いた明るい色のタイルカーペットには、部屋を広く見せる効果があり、またベッドはフレームを取っ払い重心を低くすることで圧迫感を軽減。「ブラインドカーテンを閉めれば、プロジェクターで映画鑑賞できますよ」と気の利いたアイデアも。狭い、という一見デメリットに感じる特徴も、個性へと転換させる発想が随所に散りばめられています。

「再生ポリプロピレン入り 折りたたみコンテナ」は、側面が開くことで重ねていても取り出しやすい設計。使わない時は、畳めばコンパクトに収納できます。
そして部屋の悩みといえば、収納。奥行きのある押し入れには、服やスニーカーなどがぎっしりと詰められていました。「収納では一回失敗していて。お気に入りの服を奥にしまいこんで、そのシーズンに着るのを忘れていたんです。それ以来、服の整理整頓を心掛けています」
昼は窓からの光、夜は満月のようなペンダントライトが照らす、居心地の良い部屋。和洋がミックスされた空間に、映画の半券やフレグランス、ミニカーなど家主のお気に入りが溶けこんでいます。
「インテリアのこだわりは、木の色合いですかね。些細なことですが、部屋の化粧材がヴィンテージっぽい風合いなので、ほかの家具の木の色が浮かないようにしています。鏡のフレームも、もとは白っぽかったんですが、オレンジオイルを塗り重ねて、色を濃くしているんです」
新しく買い直さなくても、今あるものに手を加えることで、表情を変え、新鮮さも戻ってくるといいます。そんな細やかなアップデートも、軽やかに暮らしを整える鍵なのかもしれません。
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