ふと手に取ったものであったとしても、永く使い続けていれば、その人の生き方やスタイルが表れてくるもの。自身もものづくりに携わる7名に、愛用する無印良品のプロダクトと、その理由について聞きました。ここでは、後半の4組をご紹介します。
アルミアームライト
彦坂 有紀・もりといずみ
約18年前、美術大学を卒業したばかりの彦坂さんが「家でも美大のような制作環境を整えたい」と購入〈奥〉。それを見て「いいな」と思ったもりとさんも、約15年前に購入したというアームライト〈手前〉。
「駆け出しの頃は夜まで仕事をしていたので、これがないと作業ができませんでした」(もりと)。「見た目がシンプルだから、使ううちに景観に馴染んでいくのがいいですね。あとはお手頃な値段も」(彦坂)。「ちなみに、10年前にこの家を建てる時、このブラインドも無印良品でオーダーしました」(もりと)。
Yuki Hikosaka, Izumi Morito/彦坂木版工房の木版画家とクリエイティブディレクター。絵本をはじめ、食品のパッケージや広告などを幅広く手掛ける。
パイン材テーブル折りたたみ式
石川 篤
一人暮らしの時に2台購入し、家族構成が変わるのに合わせて使い方を変えていったパイン材の折りたたみ式テーブル。
「結婚してからは 2つ繋げてダイニングテーブルに。子どもが生まれ、小さな頃は天板裏にモビールをつけて遊んだり、テーブルに布を被せて隠れられるようにしたり。二人の子どもたちが小学生になってからは、それぞれの机として使っていました」
永く使える理由は、やはりその気軽さにある。
「今は基本的には収納していますが、子どもたちが工作する時など、必要に応じて使っています」
Atsushi Ishikawa/良品計画にて、クリエイティブやコミュニケーション領域を仕事にするディレクター。
麻パイルスリッパ
松澤 紀美子
夏に愛用しているという麻のスリッパ。足にあたる全面が麻のパイル地でできているため、足裏が心地よく刺激されるという。
「靴紐をギュッと結んで仕事場で過ごし、一日の終わりにこのスリッパに履きかえる時、すごく解放された気持ちになるんです」
残念ながら現在は廃番に。
「とても気に入っているけれどもう手に入らないので、布をあてて繕ったり、縫い直したりして使っています。直しながら中敷のすり減り方や被れやすい箇所を発見することは、自分のものづくりにも生かされている気がします」
Kimiko Matsuzawa/東京・早稲田にあるアトリエ兼ショップ「petit cul(プティ・キュ)」にて布の仕事に取り組む。
ステンレスのお鍋類
森田 明奈
「適度な厚みや重量感、五徳に置いた時の安定感が気に入っていて、一人暮らしの頃から家族が増えた現在まで、毎日使っています。10年以上前に手に入れたものですが、焦げがつきにくく落ちやすいので、手入れという手入れもしたことがないくらい」
小型の片手鍋から大きめの両手鍋まで、4つの鍋を使いこなしている。
「具だくさんの料理を大量に作って、お鍋のまま車で友人の家に持って行くこともあります。ラフに扱える丈夫さというか、プロダクトとして、シンプルな機能がちゃんとデザインされているのがいいんです」
Haruna Morita /テキスタイルデザイナー。商品開発のほか、展覧会やイベントなどのディレクションも行う。
※販売終了しているアイテムもございます。
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