私がMUJIを着る理由
「生地や縫製の良さは裾に出る、と思います」榊原優佳(スタイリスト) | ワイドイージーパンツほか

2026/03/15
(取材・小柳美佳 撮影・日野敦友) (撮影、文ともに荻野玲子)
榊原優佳
さかきばら・ゆか。スタイリスト。東京都生まれ。『Figaro Japon』『GINZA』などの雑誌や、カタログ、広告を中心に活動。2024年から台北へ移住。
Instagram:@yukasakakibara
「パンツを穿いたときのシルエットを見て、『これだ!』と」」
「2024年5月に台北に移住してから、自分にしっくりくる洋服がなかなか見つからなかったんです」。東京でスタイリストとして毎日忙しく働いていた榊原さん。もともと日本のメンズブランドを愛用していたが、移住後は、サイズやシルエットなど好みのデザインを探すのに苦労していたそう。
「日本から持っていった服も尽きてしまい、『着る服がない、どうしよう?』と思ったときに出合ったのが、MUJIのパンツでした。スキンケアには馴染みがあったのですが、服はまだ着たことがなくて。でも、試着室でパンツを穿いた瞬間、『これだ!』と。足を入れたときの形がとても好みだったんです」
以降、MUJIのパンツを愛用している彼女がこの春選んだのは、メンズのワイドイージーパンツ。
「まず、縫製がいい。それと、裾に向かってテーパードになった形がきれい。生地もしっかりしているので、何回洗ってもストンと落ちるのもいいですね。生地や縫製の良さは裾に出ます。生地が頼りないと、裾がペラペラになってしまいますが、このパンツは細部まできれい。私は身長159cmですが、紳士のSサイズなら丈詰めが必要ないレングスもいい。少したるませて穿きたいですね」

さらにここ数年、長野県の松本と二拠点生活も始めたので東京との寒さとはまた違った種類の寒さを経験することに。そして当たり前なのですが、“東京仕様のまま松本に行くと寒い、松本仕様のまま東京に行くと暑い”のです。

メンズのパンツは黒、茶、グレーと各色買いそろえている。
「東京を離れて改めて気がついたのですが、東京の男の人が穿くパンツには最適解のようなものがあると思っていて。それはただワンサイズ大きめとかルーズとかいったものではなくて、微妙なバランスの組み合わせで成り立っていて、MUJIのパンツもその中の一つだと思います。実際に着用することで、縫製やサイズ感、シルエットに今の東京の”らしさ”を感じます。とまあ、私は台湾で楽しく暮らしていても、ファッションには”東京”を求めていたんだな、と実感しました(笑)」

「時代感が反映された色のラインナップに惹かれます」

次に選んだのは、メンズの軽やかなセットアップ。「サイズ感がいいですね。ジャケットの袖もパンツの丈も長すぎないですし。普段着るアイテムはメンズが多いですが、パステルカラーや可愛いディテールなど、ガーリーなスタイルも好きなんです。なので、淡いグレーやピンクなど、MUJIのカラーバリエーションにはとても惹かれます。もともとモノトーンのイメージが強いかもしれませんが、色のラインナップにきちんと時代感がありますよね」

自らが撮影現場に赴くスタイリストという職業では、居住場所を変えるのは大きな決断だったはず。だが、榊原さんは軽やかに答える。「東京から引っ越そうと思って、一番好きな場所である台北を選びました」当時は現地の言葉もそこまで上手く話せなかったが、語学学校に通い、日常会話もできるようになってきた。そんな充実した台北での日々でも、MUJIの店舗によく訪れるそう。「品揃えが少しずつ異なるので、気分によって行くお店を変えます。値段も日本とほぼ同じなのがありがたいです。あえて大きいサイズのメンズ肌着をミニワンピとして部屋着にするなど、パンツやTシャツ以外にも愛用中です。以前、自身のSNSに『MUJIがなかったら日本に帰国しているかも』とポストしたのも、大袈裟ではないんです」
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