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【汚れ度別】五徳の掃除方法。焦げ付きを簡単に落とすコツを紹介

2026/01/05
【お話を聞いた人】
藤原千秋さん
大手住宅メーカーで営業職を経て、独立。主に掃除や家事、住宅に関する記事執筆を専門とする、ライター・アドバイザー&コラムニストとして活動中。監修本に『きほんから新発想まで 家事ずかん750』(朝日新聞出版)などがある。私生活では、三女の母。
五徳の汚れの原因とは?
五徳の汚れは、主に 油はね・吹きこぼれ・食品カスの焼き付きによるものです。調理中の油はねが高温の五徳に触れると瞬時に酸化し、黒いべたついた膜になります。また、汁物などが吹きこぼれると糖分やアミノ酸が加熱され、いわゆる「焦げ」の成分となって五徳に付着します。
さらに五徳は凹凸や角が多く、汚れが引っかかりやすい形状です。汚れがそのまま乾燥し、火で何度も焼かれることで炭化し硬い焦げ付きになり、通常の洗剤洗いでは落ちにくくなります。日々の積み重ねがこの黒焦げを生み出すため、汚れの段階に応じた掃除方法が大切です。
五徳の種類
一般的な家庭用ガスコンロの五徳は、ホーロー製とステンレス製の2種類が主流です。材質によって特性や汚れ落ちのしやすさが異なるため、概要を知っておくと掃除がぐっとラクになります。
ホーロー製
ホーロー(琺瑯)は鉄やアルミニウムなどの金属の表面にシリカなどガラス質の釉薬を焼き付けた素材です。つるりと滑らかな表面で汚れが染み込みにくく、比較的掃除しやすい点が魅力です。五徳では黒色のものが多く汚れが目立たないメリットもあります。ただ、硬いブラシや金属タワシでこすると表面が欠け、サビの原因になる場合があります。また、急激な温度変化に弱く、冷水をかけるとひび割れを起こすことも。基本的には酸や強い研磨を避け、中性洗剤・柔らかいスポンジ等・40〜50℃のぬるま湯を使ったお手入れがおすすめです。
ステンレス製
ステンレスは、鉄に一定量のクロムやニッケルを加えた軽く扱いやすい合金で、腐食しにくくサビに強い特徴があります。五徳にすると高級感ある見た目になるためグレードの高い機種のガスコンロに取り入れられることの多い素材です。汚れも比較的落としやすいのですが、焦げ付きが進むと黒い炭化膜が固く密着し、落としづらくなることも。また表面に細かな傷がつきやすく、研磨に頼った掃除をすると曇って光沢が失われる場合があります。強い洗剤や研磨剤を使う前に、まずは、ぬるま湯・中性洗剤・重曹といった穏やかな手段を試すのが安全です。
五徳の掃除方法(軽い汚れの場合)
調理後についた油はねや軽いベタつきは、食器用中性洗剤と食器洗い用スポンジで十分に落とせます。日常的にこの洗浄を行うことで焦げ付き予防になり、重く手のかかる掃除をする頻度を減らせます。
用意が必要なもの- 食器用中性洗剤
- ぬるま湯(40℃前後)
- 食器洗い用スポンジ(柔らかめ)
- 布巾またはマイクロファイバークロス
- 五徳をしっかり冷ます
火を止めた直後の五徳は非常に高温のため火傷の危険があります。取り外す前に完全に冷ましておきます。 - ぬるま湯で予洗いする
まず表面の軽い油汚れやホコリをぬるま湯でざっと流します。その後の洗浄がラクになります。 - 食器用中性洗剤を食器洗い用スポンジにつけて洗う
面・角・裏側のくぼみなど、油が溜まりやすい部分を中心に、食器用中性洗剤とスポンジでやさしくこすります。 - 流水でしっかりすすぐ
洗剤が残ると変色やにおいの原因になるため、念入りに。 - 布巾やマイクロファイバークロスなど水分を拭き取り、完全乾燥させる
水滴が残るとサビや白い水跡が付くため、すぐに拭き上げるのがポイント。
五徳の掃除方法(放置した油汚れの場合)
少しのあいだ放置してしまい、五徳にこびりつき始めた油膜や焦げには、熱めの湯と重曹を使った浸け置き洗いが効果的です。アルカリと湯温で油汚れを柔らかく落としやすい状態に緩めることで、強い力を入れなくても汚れを落とすことができます。
用意が必要なもの- 重曹 大さじ2〜3
- 50〜60℃の熱めの湯
- 大きめの鍋やステンレス製などの洗い桶
- 食器洗い用スポンジ
- ゴム手袋
- 古歯ブラシ、ナイロンブラシなど
- 五徳が入る鍋(または洗い桶)を準備
深めの容器を使うことで汚れた五徳がしっかりと浸り、湯も対流することで、より効果的に汚れを落とすことができます。 - 鍋に熱めの湯を入れ重曹を溶かす
湯の温度は50〜60℃が最適。汚れがしっかり緩み、重曹の効果も強めに出やすい温度域です。重曹の量は湯1リットルに対し大さじ2が目安。 - 五徳を鍋で30分〜1時間浸け置く
漬け置くことで、汚れがふやけて白っぽく浮き上がってきます。こびりついた焦げの隙間に水分が入り込みます。 - スポンジやブラシでこすり洗いする
浸け置き後は汚れが柔らかくなっているので、軽い力でも充分落とせます。この作業の際には手荒れ防止にゴム手袋を装着しましょう。 - すすぎ→乾燥
白い粉や、重曹と油が化学変化で石鹸のように変化したヌメリ成分が残りやすいので、ここで念入りにすすぎます。
五徳の掃除方法(頑固な汚れの場合)
汚れが層をなして焼き付き、カーボン化(炭化)して黒くカチカチに固まっている場合。漬け置きに加え、さらに重曹ペーストを使うことで、緩やかな研磨の要素により効果的に汚れを落とすことができます。
用意が必要なもの- 重曹+水のペースト
- 古歯ブラシ、ナイロンブラシなど
- 50〜60℃の熱めの湯
- 大きめの鍋やステンレス製などの洗い桶
- ゴム手袋
- 重曹+50〜60℃の湯で漬け置きする
まずはしっかり汚れを緩めます。焦げ汚れが白っぽくなるまで、1時間程度漬け置きします。重曹の量は湯1リットルに対し大さじ2が目安。 - 重曹ペーストとブラシでこする
緩んだ焦げ汚れに重曹ペーストを塗り付け、ブラシで擦ります。重曹ペーストは、粉末の重曹に適量の水を加えたもの。五徳1個につき大さじ1の重曹、水分を加えて歯磨き粉程度の柔らかさにするのが目安です。手荒れの恐れがあるので、この作業の際にはゴム手袋を装着しましょう。 - 細部までこすり、すすぐ
角や裏側など細部まで丁寧にブラシでこすった後、ぬるま湯ですすぎます。
五徳をきれいに保つコツ
一番大切なのは、汚れをため込まないこと。できれば毎日の食器洗いと同時に、五徳まで洗うことを習慣化しましょう。カチカチに焦げつく前に対処することで綺麗な状態の維持は、格段にラクになります。
コツ- 調理後に間を開けず汚れを落とす
料理が終わった直後は油も汚れもまだ柔らかい状態。触れる温度になったら食器洗いの要領で、ざっくりひと洗いしてしまいます。 - 週1の軽いつけ置きを習慣化する
1リットルの湯に重曹大さじ2、なければ5滴の食器用中性洗剤でもOK。1時間ほど漬け置きして汚れを緩め、できるだけ焦げ固まる前に落としてしまうのが最大のコツ。 - コンロ本体も同時に拭き掃除
五徳が汚れているならコンロ周りも汚れているはず。この汚れも溜め込まないようにすることで下からの五徳汚れも結果的に減らします。 - 食洗機があれば活用も
2日に一度でも、五徳を食洗機に入れるようにする習慣づけも有効です。 - 五徳を洗うのが億劫なら拭くだけでも
毎回洗えない場合には濡れ布巾(マイクロファイバークロス)でざっと拭くだけでも汚れの蓄積を減らせます。
重曹以外の掃除方法
重曹がない時や、より時短したい場合は、酸素系漂白剤(過炭酸ナトリウム粉末)を使い漬け置く方法が有効です。また、市販のオレンジオイルの添加されている洗剤も焼け焦げ汚れに効果があります。
酸素系漂白剤(過炭酸ナトリウム粉末)50〜60℃の湯に酸素系漂白剤(過炭酸ナトリウム粉末)をお湯2リットルに対し大さじ2の割合で振り入れ、五徳を浸します。汚れの度合いに応じて20分〜1時間程度漬けることで、汚れが剥がれやすくなります。
オレンジオイル含有アルカリ性洗剤油汚れに強い割に扱いやすく、香りも良いのが特徴。五徳にスプレーして10分ほど置き、スポンジやブラシでこすってからぬるま湯ですすぎます。
コゲ専用クリーナーとヘラ
上記の作業でも落とせない汚れには、強アルカリの焦げ汚れ専用ジェル状クリーナーを用います。ジェルを焦げに塗り付け、ラップなどで湿布し汚れを緩め、樹脂製ヘラで焦げごとこそげ落とします。この方法では比較的短時間での掃除が可能。ただしクリーナーが目に入るなどすると失明の恐れがあったり、ヘラで怪我をする可能性があるなど危険性も高いので、掃除の際には注意が必要です。
スチームクリーナー高温のスチームで汚れを浮かせます。化学薬品が苦手な方にもおすすめです。
まとめ
五徳の汚れは、主に調理中の油はね・吹きこぼれ・焦げ付きが原因で、放置するほど焼け焦げて汚れを落としにくくなります。軽い汚れは食器用中性洗剤、こびりついた油汚れは重曹、頑固な焦げには酸素系漂白剤や専用クリーナーなど汚れの段階に合わせた掃除が大切です。また、調理後のひと洗いや週1回の軽い漬け置きなど、小さな習慣を積み重ねることで、五徳を長く美しく保つことができます。
※この記事は2025年11月30日現在の情報です。← 前の記事へ
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