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【スタイリングアドバイザーが語る無印良品】超長綿のブロードシャツ ①
2019/08/29
ものづくりの背景を伝えながら、一人ひとりに合った服選びや着こなしを提案する、無印良品のスタイリングアドバイザー。
お店でさまざまな相談を承ってきた彼らが伝える、無印良品の綿シャツの魅力を、連載でお届けします。
第1回は、「時間にゆとりのある方、忙しい合間を縫って来た方……それぞれの背景があるすべての方にとって、無印良品で過ごす時間が心地良いひとときになるよう、心がけています」という女性アドバイザーが語る、超長綿のブロードシャツです。
モデル身長:154cm / 着用サイズ:M
袖をたくし上げたときに、かたちが自然に決まる。シャツがスタイリングしてくれます。
――超長綿のブロードシャツ、いちばんおすすめしたいところは?
袖を通したときの、肌触りです。超長綿はなめらかさ、やわらかさが特長で、個人的にもそこが好きですね。表側の生地が少し起毛していて……特別なシャツということが、肌触りからも感じられます。
――ブロード地なのに、やわらかい?
はい。これまでのブロードは、しゃんと着られるような生地のハリが特長で、たくし上げた折れ具合にも硬さがありました。でも、この超長綿はやわらかいので、袖をまくったときにも塊にならず、しわの凹凸がつくる風合いを楽しめます。
――ブラウジングも、うまく決まりそうですね。
自然に決まります。自分で手をかけなくても、全体的にやわらかく、なめらかに、シャツがスタイリングをしてくれる感じです。
シャツって万能で、だれでも着られるからこそ、着こなしが難しいですよね。
――たしかに、ちょっとした匙加減で変わります……。
袖を折り返すなら、八分目くらいの長さ。いちばん細い手首は見せて、腕が太くなりはじめるあたりで折り返すと、女性らしく着こなせます。
――襟は、少し小さめでしょうか。
そうですね。襟には芯が入っていて、曲げてもクシャっとならず、立てやすいのがありがたいです。
女性らしい小ぶりなアクセサリーは、大きな襟では存在が消されてしまうので、小さめの襟のほうが映えると思います。
特別な想いが込められた、超長綿のシャツ。でも、着る人には、気軽にはおってほしい。
――今回は、はおりものとして、シャツを着ています。
じつは元々、シャツの着こなしが得意ではないんです。
前のボタンを全部閉めてしまうと堅苦しいイメージになってしまいがちなので、私は今回のように、はおりで活用することが多いですね。インがきれいなTシャツだったら上品なイメージになりますし、リブの入ったタンクトップだとカジュアルな印象にもできます。
――一枚で着るなら、どういうふうに?
シャツのボタンを閉めるときは、ちゃんとしたいことが多いので、合わせる服はどちらかというと、きれいめなものが多いです。
ボトムにフレアスカートを合わせて、裾を入れて、足元は革靴にして……でも、きちんをしていながらも、靴下をとり入れたり、上のボタンをはずしてみたりして、少し着崩しています。
――シャツだからこそ、そういった遊びが生きるのかも。
私も今までは、カチッとしたときに着るイメージがあったので、このシャツと出会って以来、シャツの着こなしに対するハードルが下がりました。気軽にはおって、楽しんでもらえるシャツだと伝えたいです。
――話を聞いていて、ブロードのシャツを、もっと着たくなりました。
超長綿のブロードシャツは、無印良品にとって特別な商品で、いろんな人の想いがしっかり入っています。それだけの価値も詰まっています。
ですが、着る人にとっては、気軽にはおってもらえるような、そういう身近な存在になってほしい。大事に着てほしいシャツですね。
年配の女性が着こなしていた、白いシャツにジーンズ、白いスニーカー……私の憧れです。
――シャツをシャツとして楽しみたい人には、どういう着こなしをすすめますか。
シャツの着こなしといえば、私には以前、買い物をしているときに見かけて以来、憧れにしている着こなしがあるんです。
それは、60代くらいの華奢な女性が、白シャツのボタンを上ふたつ、下をひとつあけて、裾を外に出して着ていた姿。そこへ細いジーンズと白スニーカーを合わせるという、鉄板の組み合わせだったんですが、襟の立ち具合や着こなしが、とても素敵だなと思って。
――それは憧れますね。立ち姿も、おそらく背筋がすっと伸びていて。
ええ、本当にラフなのに、グレーヘアーが格好良くて……。
なので、もしそれが似合う方がいたら、本当に鉄板で王道なのですが、その着こなしをすすめたいです。誰にでもできる格好でありながら、そのときにしか出せない味がありますよね。
――歳を重ねて得られる魅力でしょうか。姿勢が良くて、きっと生き方にも芯が通っていて……。
はい。それ以来、白いシャツにデニムと白いスニーカーを合わせるという着こなしを、あえてすすめたいなと思っています。流行り廃りを経て、自分が根本に戻ったときに、そういう格好をしていたいなと。
――飾らない自分がそこにある、というような。
白いシャツって、自分らしさを出しやすいんだなあ、と思いました。
自分のいろんなものを表現できるからこそ、自分の着こなしとして、取り入れてほしいです。
――まるで、白いカンバスですね。
ええ。だから、たとえば、さっき話した年配の女性の着こなしについて、20代の方が同じように着たとしても、そういった雰囲気には至らないかもしれません。でも、そのときにしかできない着こなしは、ありますから。
――その時代ごとの、その人自身が現れるのかもしれません。
20代の女性だったら、たとえばシャツのボタンを上まで閉めて、マニッシュに着たり、逆に可愛らしさを出してみたり……同じアイテムですけれど、その年代に応じた着崩しや着こなし、アレンジの仕方を見つけてほしいと思います。
――白いシャツって、あらためて、良いですね。
私も、いままではシャツが苦手だったんですけれど、この超長綿のブロードシャツを着て以来、お店に立っているときだけでも、シャツを着てみようかなという気持ちになりました。憧れの白いシャツに(笑)……そういう気持ちにさせてくれるような、“着てみたくなるシャツ”です。
服のあるくらしを楽しんでほしい。お気に入りの服を着るだけで、マインドは変わると思います。
――一方で、シャツはお手入れが、少しおっくうで……。
わかります。シャツというと、アイロンがけをしなければ、とつい気負いがちですよね。
でも、この超長綿のシャツは、干すときに軽くなじませるように叩いて伸ばしてあげると、しわが気にならずに干し上がってくれるんです。
洗うときには、ボタンを全部外して、軽くたたんで、大きめのネットに入れること。脱水を弱めにかけて短時間で洗い、それをすぐに出して、吊るして干します。
――ボタンは外すんですね。
ボタンをかけてしまうと、遠心力で引っ張り合って、装飾や縫い目を痛めたりするんです。外したほうが良いですね。
シャツは袖や襟の内側に皮脂汚れがあるので、そこは先に部分洗いをしてから、裏返しにして洗ってください。全体の汚れが取れて、真っ白に洗い上がります。
――アイロンがけのハードルがなくなるだけでも、シャツが身近に感じられました。
せっかくのシャツがしわしわだと、着ていても気になりますよね。でも、シャツを着ようと思う人は一方で、忙しい朝を過ごしていたり、こどもの世話をやいていたり、そんなあわただしい生活を送っていると思うんです。
だから、ちょっとした洗濯のコツをつかめば、わざわざアイロンをと気負わなくても、もっと気軽にシャツを着られるよ、と思ってもらいたくて……。
私にも、小学2年生の娘がいるんです。
――ああ、おかあさんなんですね。
はい。仕事でお店に立つときには、しゃんとしたいのでアイロンをかけるんですが、休みの日にもそうだと苦しくなっちゃうので(笑)、アイロンはかけずに、ラフに着ています。
無印良品ではたらく前までは、こどものことが中心で、自分のことにはそれほど手をかけられなかったんです。でも、この仕事に就いて、たくさんの服について知るうちに、もっと着たくなって、休日にも無印良品の服を着るようになりました。
――仕事のときとはまた、違った着こなしなんでしょうね。
だから、シャツのあるコーディネートを楽しんでもらうために、シャツのお手入れが実はそんなに難しくはないことも、知ってもらえたらと思っているんです。汚れがついちゃっても、洗えば落ちるということを、身をもって知っていますから(笑)。
――経験からの言葉ですね。白いシャツはやっぱり、白い色を楽しみたいです。
考えかたを変えるなら、洗剤の色落ちを気にせずに洗って着られるのは、白いシャツならではですから(笑)。
小さいこどもがいるからって、白いシャツや白い服を敬遠せずに、選択肢のひとつに加えて、服選びの幅を広げてもらえたらと思います。カレーの染みがついても、その日のうちに部分洗いして洗濯すれば、大丈夫だよって。
――自分のことは後回し、ではなくて。
あわただしいからこそ、服のあるくらし、着こなしのあるくらしを、楽しんでほしいです。自分がリラックスできる、ほっとできる時間として、服選びを入れてもらえたらと考えています。
お洋服って、自分を飾るものである以上に、自分のことを出せるもの。だから、悲しい気持ちのときや疲れているときに、なよなよとした服をなんとなく着てしまうと、どうしても気持ちも引きずられてしまいます。
でも、そういうときに、シャキッとできる服や、自分が気に入っている服を着るだけで、マインドって、すごく変わると思っているんです。
――わかります。気持ちをあげてもらえるような。
そう。はっとなる感じなんです。
お気に入りの服を着たときに、ああ、がんばろうって思えたり……。
――ふと思ったのですが、おかあさんが白いシャツを着て笑顔でいる姿って、とても素敵ですよね。
そうですね。白いシャツって、すごくきれいなものだから……それを選ぶだけでも、きっと気持ちは違うだろうなあと思います。
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