長九郎農園の松永さんご家族が暮すのは、岐阜県飛騨市の山間の集落で、とても雪深いところ。
お伺いさせていただいた際も、あまりの雪景色の美しさに カメラのシャッターを何度も切りました。
積雪が多く農作業ができないこの時期だから、その時間を利用してトマトケチャップとトマトチリソースを作るのだそう。夏の間のトマトの収穫シーズンに、規格外で出荷できないトマトを中心に 冷凍保存しておき、それをトマトジュースに加工して、トマトケチャップとトマトチリソースを作るのですが、昨年の夏に冷凍保存しておいたトマトは、約300キロ。中玉トマトのセレブスウィートという品種を中心に、大玉トマトの桃太郎という品種も一緒に、トマトジュースにして用意してありました。
さて。そのまま飲んでもとても美味しいトマトジュースを、大鍋に入れて煮込んでいきます。
ふつふつ ふつふつ。
ぐつぐつ ぐつぐつ。
ご主人の宗憲さんが、鍋の番。
ゆっくりゆっくりかき混ぜながら、煮込み具合を確認します。
そして、丁寧にアクをすくっていきます。
すくったアクですら、美味しそう・・・。
宗憲さんは、ゆっくりゆっくり大鍋をかき混ぜ、丁寧に丁寧に アクをすくっていきます。
その間に、奥様のさやかさんは 一緒に煮込んでいく野菜やハーブの支度をしていきます。
玉ねぎ。このピカピカの玉ねぎは、松永さんのご近所に住むおばあさんが作ってくださったものなのだとか。
あれ?でもこれだけですか・・・?
いえいえ。そんな訳はありません。
そしてこのニンニクは、さやかさんのお母様が育てたものなのだとか。
たくさんの玉ねぎとニンニクを、少量のトマトジュースと一緒にミキサーにかけていきます。
この作業。写真で見るだけでは簡単そうなのですが、実はとっても目が痛いのです。私もお手伝いさせていただいたのですが、とにかく目が痛くて痛くて、涙が止まりません。「そう。この作業、目がとっても痛いんですよ」と にこやかにお話ししてくださるさやかさん。いつも優しく歌うような声でゆったりとお話ししてくださいます。ミキサーにかけた玉ねぎとニンニクを、ぐつぐつと煮立つ大鍋に入れ、そのほかにも、砂糖、塩、酢などを計り、入れていきます。
それから。ハーブもたくさん入るのです。
セイジ、オレガノ、タイム。これも松永さんの農園で育てたもの。
これらを手作業で、枝から葉だけ集めていきます。
葉だけ集めたハーブを、さやかさんオリジナルの配合量で合わせていきます。
それをフードプロセッサーにかけ粉末にします。
それをぐつぐつと煮立つ鍋に入れるのです。
真っ赤なお鍋に 緑のハーブがたくさん入り、その様子はアートのよう。とても美しかったです。
調理室の中はトマトとハーブの香りが充満し、なんとも言えない幸せな気持ちになります。
今回はここまで。
続きは『ケチャップを作る③』でお話ししたいと思います。
無印良品 イオンモール各務原