浜松の魅力的なスポットを紹介する「Hamamatsu to GO」。第2回目は、個性的なお店が集うKAGIYAビルの一角でうつわを扱う「Rohan」さんを訪れました。
レポーターは、浜松に引っ越してそろそろ半年、横浜出身の社員Iさん。まだ知らない浜松の新たな一面を求めて出発です。
百貨店から郵便局方面へと進み、鍛冶町の交差点へ。写真右手の道を4分ほど直進します。

白壁のレトロな外観が目を引く、KAGIYAビルに到着です。

ノスタルジックな昭和のおもかげを感じるこちらの建物は、50年代の建築だそう。

懐かしい趣きを活かしながらリノベーションを経て、本屋やギャラリーなど様々なお店が集う空間に生まれ変わりました。

目指す「Rohan」さんはビルの3階。現在、ガラス作家おおやぶみよさんの個展「Breath of Summer」を開催中です。
案内板を頼りに、階段をのぼってビルの奥へと進みます。

看板の後ろに透ける「山一証券」の文字に、時代の移ろいを感じますね……。

細い通路を通って、いよいよお店に到着です。「ホントにここでいいのかな?」とドキドキしながら扉をあけるIさん。

店内に一歩はいると、さっきまでの暑さを忘れるような涼やかな空間が広がっています。


「どれも素敵でしょ?」笑顔で出迎えてくれたのは、オーナーの鈴木林太郎さん。

2017年5月から「Rohan」を構え、うつわや暮らしの道具など様々な作品を紹介なさっています。
「展示中のおおやぶみよさんのガラスの『とろみ』に惚れ込んでるんです。どこか暖かみがあって、季節を問わず1年中使いたくなりますよ。」

キン、と透き通った硬質な冷たさではなく、どこか柔らかい質感。光を透かして水面のようにたゆたう影に引き込まれそうになります。

作品に魅せられて、県外から訪れるファンも多いほどの人気だそうです。夏らしい水色は、Rohanの個展ならではの限定カラーとのこと。

「作家さんには、毎回浜松ならではの『色』をいれていただくようにお願いしてるんです。」と鈴木さん。
「この前の箸置き展では、浜松名産の野菜や魚モチーフで作ってもらったりね。小さいお子さまと一緒にくださる方もいて、3世代で楽しんでもらえました。」

2017年のオープン当初は、8人の作家さんからスタートした個展も、いまでは20人に。
「2,30代の若手の方の作品を紹介しています。半数は20代の作家さんでまだ無名の方も多いですが、いつかここからスター誕生! なんて日が来てほしいな、と夢見てます!」と熱い想いを語ります。

作家さんの企画展は年8回ほど開催しているとのこと。合間の期間は常設展もあるので、訪れるたびにいろいろな作品に出合えそうですね。

ちなみに、店名の「Rohan」は、鈴木さんの愛読する随筆『骨董』の著者、幸田露伴に由来するそうです。
「ロゴも電気技師だった露伴にちなんで、回路図のようなデザインにしたんですよ。パッと見読めなくて、なんだこれ? って立ち止まってもらえるようにこだわりました。」と誕生秘話を教えていただきました。

「気負わずに、だれでも気軽に訪れてほしいですね。近くに来たからちょっと寄ったよ、みたいな昼間のスナック感覚で(笑)
一筆書きのようにKAGIYAビルのいろんなお店をぐるっと巡って、楽しんでもらえたらなって。」
と語ってくれた通り、ユーモラスで楽しい鈴木さんのお人柄にひかれて何度でも訪れたくなる空間でした。うつわや工芸好きの方はもちろん、新しいもの、おもしろいものが好きな方もぜひ立ち寄ってみてくださいね。
文芸や工芸にも造詣の深い鈴木さん。MUJI BOOKSの民芸コーナーがお気に入りで、実はひっそりと来ていただいているとか……。

器や手仕事、道具にまつわる写真集やエッセイや写真集は見ているだけでもワクワクしますよ。
Rohan
静岡県浜松市中区田町229-13
KAGIYAビル 3F
無印良品浜松遠鉄百貨店から徒歩約8分
浜松駅から徒歩約9分

次回は、2Fの本屋さんをご紹介予定。どうぞお楽しみに。
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無印良品 浜松遠鉄百貨店