【イオンモール堺北花田】古紙になるはずだった本｜MUJIBOOKS

　「古紙になるはずだった本」プロジェクトが無印良品イオンモール堺北花田でもはじまります。「古紙になるはずだった本」とは、古本の仕入れ先であるバリューブックスと一緒に取り組んでいるプロジェクトです。

　「古紙になるはずだった本」ってどういうことだろう。そんな思いを抱きながら、MUJIBOOKS担当の私は、昨年の冬にバリューブックスを訪れる旅へ出ました。
 
　ひんやり冷たく、冬の澄んだ青空がひろがるここは、長野県上田市。上田駅から千曲川を渡り、バリューブックスの倉庫へやって来ました。
 
　日本全国からここに集まる本は、1日約2万冊。読み終えて手放された本、遺品整理された本、集まる本はさまざまです。

　1冊ずつ状態を丁寧に査定し、値がついた約1万冊の本は棚へと移されます。ところ狭しと棚に行儀良く本が収まっている姿は圧巻です。その数なんと約120万冊。これらの本はインターネット販売を中心に次の読み手を待つことになります。　

あと半分の1万冊の本は……。リサイクルとして、古紙回収へとまわされます。
 
　古紙に回される本はどんな本でしょう。ボロボロになった本？　とても汚れている本？　そういったものをイメージされる方が多いかもしれませんね。
　でも実際にはバーコードがなく管理できない本や古本市場にたくさん出回っていて供給過多で値が付きにくいものが大半です。つまり古紙になる本は読めない本というわけではありません。

　私にとって、本は物心ついたころからそばにあるもの。本は、知識を与えてくれるのはもちろん、時にはなぐさめとなり、時には勇気を与えてくれる。人生の指針になることだってあります。
　食べ物を食べて生きているように、本は私たちの心を育ててくれているのです。
 
　バリューブックスでは、毎日本が回収車に投げ込まれる光景を見ながら、“本を捨てたくない”“本は本として活かしたい“という思いからこのプロジェクトをスタートさせたそうです。本の未来を大切に思う皆さんのお顔は、優しくもあり、目には凛々しさをも感じました。

　そんな彼らの“捨てたくない”思いに共感し、MUJIBOOKSでは「古紙になるはずだった本」プロジェクトを始めました。名前が違うのは、本を売るお店として、この本たちの由来を伝えたかったからです。ただ安いのではなく、わけあって安い、その理由が伝わるよう事実をそのまま伝える名前になりました。

古紙になるはずだった本pdf はこちら
 
　取材のときも、古紙回収される直前の本を私たちMUJIBOOKSのスタッフが1冊1冊選書しました。「この本の表紙、懐かしいね」「これ、学生のころ読んだ雑誌だよ」と、ついつい手がとまりながらも、MUJIBOOKSの本棚に置く本を探します。

　残念ながら、全部の本は救うことはできません。では、古紙回収に回された本はいったい……。
 
　取材で分かったのは、古紙回収へ回される本の95%は、また紙へと生まれ変わっているのだということ。再生の過程で出る不純物は焼却され、セメントの材料として。金属などは鉄鋼の材料として。本という形ではなくとも、姿を変えて再利用されることが分かり、少しほっとしながら大阪に帰って来ました。

　『古紙になるはずだった本』は消費税込で100円と300円です。元の読み手から次の読み手へ。MUJIBOOKSは、そんなつながりの場でありたい、そのつながりをもっとひろげたい、今回の旅で感じました。

　私たちのくらしが、本を通して豊かになりますように。
『古紙になるはずだった本』はフードコートにあります。ぜひ、お手にとって読んでみてください。
   
■100円（税込）の本
■300円（税込）の本 　
　古書につき、在庫限りですのでお取り寄せなどは致しかねます。あらかじめご了承くださいませ。

バリューブックス　捨てたくない本

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無印良品　イオンモール堺北花田　2020.09.07