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【みんなみの里】朝採れ

【みんなみの里】「農業」を受け継ぐ若手農人 鈴木健一さん | 里山良人

その他

2020/11/02

 日本各地で代々受け継がれている農産物があると思いますが、鴨川市にも“ 幻の枝豆 ”と呼ばれるものがあります。「鴨川七里(かもがわしちり)」と呼ばれる極晩生の枝豆です。
 この枝豆を煎ると香りが七里先まで届くといわれるほど芳醇といわれ、その名がつきました。
 在来種らしくサヤのまわりには産毛がたくさん生えていて、ちょっと痛いほどです。
 
【みんなみの里】里山良人
 
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 枝からはずしてサヤごと茹でると、あたりはたちまち心地の良い香りに包み込まれます。
 また、茹であがったその豆は翡翠のように輝き、ひと粒口に入れたときに感じる甘さは格別です。

 
【みんなみの里】里山良人
 
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 今年、直売所に鴨川七里がはじめて顔を出したのは10月19日の朝。昨年と変わらない時季です。生産者さんは、鈴木栄一さんと息子の健一さんです。


 先日、鴨川七里の畑の前で健一さんにお話を伺うことができました。
 
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 鈴木家は代々農業を営んでおり、健一さんの曾祖父の代は確実に農家だったとのこと。
 周辺はもともと農地でしたが、だんだんと住宅が増えてきており、田畑の隣に住宅が建っているという様子があちらこちらに見えます。

 健一さんは、若手農家のリーダー的存在で、生産者さんの組合(鴨川市農林業体験交流協会)において、数年にわたり理事会で活躍されてきました。

 鈴木家と鴨川七里のとの出会いについて伺いました。
 父の鈴木栄一さんが、普及所(安房農業事務所)の指導員から、当時君津市で農業の活性化を担っていた地元の大豆「小糸在来」の生産を勧められ、栽培を始めていました。
 その後、鴨川市でも在来種の大豆の生産が進められるようになり、市内の農家で代々大切に育てられていた「七里」という名の大豆の栽培を始めることに。
 最初は3件の農家によって試行錯誤を重ねながら「鴨川七里」と名付けた豆の栽培を開始。やがて「鴨川七里を育てる会」が発足。正式に「鴨川七里」の商標登録もおこなわれました。
 
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 鴨川七里の栽培はむずかしいとよく言われますが、その理由をお聞きしました。
 極晩生品種のため、一般の枝豆が市場に出る7月に種を撒き、収穫は10月末から11月の二週間程度。そのため、収穫までの管理がとにかく大変とのこと。
 夏の暑さと害虫から若い芽を守らなければならず、また、大きく育っても、台風などの災害が起これば、水浸しの畑の中では傷んでしまうし、暴風を受けてれば倒れてしまう。お天気との折り合いが難しいようです。
 それに加え、近年はイノシシ・鹿・キョンなどの獣害も。なかでも最近はキョンが多く出没するとのこと。鴨川七里の畑のまわりにはネットが設置されていました。
 
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 このように根元を切って収穫するようです。

 そこまで大変な思いをして栽培するのはなぜなのでしょうか。
 幻とまで言われるほど、一度は人々の目から見えなくなっていた地元の豆が復活し、「鴨川七里を育てる会」も発足10年を越えました。
 オーナー制度も広く知られるようになり、多くのオーナーさんが参加しています。
 初めて参加したオーナーさんが、次の回に「美味しかったからまた参加しました」と言ってリピーターになってくれること。そして、口コミによってどんどん参加者が増えることに喜びを感じると、健一さんは言います。


 ちなみに、昔の大豆の栽培は、稲を植えた田んぼのくろ(畔)でおこなわれていました。その名も「たのくろ豆」と呼ばれ、カメムシなどが豆にくっつくので、稲への影響は少なくなるので、くろに植えたそうです。


 健一さんの栽培する農産物は、どれも大きくきれいなものが多いです。
 例えば、鈴木家の玉ねぎやサツマイモなどが直売所に並ぶと、どこの場所に置いてもその美しさは目立ちます。
 
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 ぶつしけながら「その理由や方法は」とお聞きしてみました。答えは「管理」でした。
 乾燥させて上手に貯蔵できれば良いものはできる。しっかりとした管理をすれば、時期を遅らせて栽培し、ほかの生産者さんと出荷する農産物がぶつからなくてすむということのようです。


 お話を伺っていると、健一さんの口から「お客様に届けるまでが農業」という言葉が出てきました。
 ここまででいいと野菜をつくっている農家もいるけれど、それは自己満足。良いものをつくって、少しでも多くお客様に届けるのが「農業」だと思う。それには、ある意味ミーハーと言われるかもしれないけれど、お客様のニーズに合わせたものをつくるのも必要だと。

 健一さんからの情報ですが、ここ数年で安納芋などの甘くしっとりしたサツマイモが栽培されてきましたが、ここにきて昔からおなじみの品種ベニアズマのニーズが増えてきているとのことです。

 
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 直売所の仕事を通じ、生産者さんたちとの付き合いは17年以上になる私。健一さんともいろいろとお話をしてきましたが、今回の取材をとおし、あらためて彼の「農業」に対する考え方が分かりました。
 まだ44歳の若者の肩には、これからの農業の未来がかかっているようです。


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