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【金沢フォーラス】小松イ草を次代へ

【金沢フォーラス】小松イ草を次代へ

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2022/12/09

こんにちは。
無印良品金沢フォーラスです。

すでにお知らせしておりますが、今度の日曜日12月11日に、「しめ飾りつくり」のワークショップを行います。
 
【金沢フォーラス】小松イ草を次代へ

講師の吉田さんのご縁から、今回『宮本農園』のイ草を使わせていただくことになりました。
『宮本農園』は、石川県で唯一のイ草農家です。イ草の栽培と言えば、熊本県が有名で、石川県にイ草農家があることを知らない方も多いのではないでしょうか。
 
【金沢フォーラス】小松イ草を次代へ

金沢より1時間ほどの小松市に『宮本農産』はあります。
車から降りた瞬間、一面に広がるイ草の香り。出迎えてくれたのは、5代目宮本健一さんです。

小松イ草は、今から約550年前に小松に自生していたイ草を移植して栽培したのが始まりとされています。3代藩主前田利常が産業化したことで盛んとなり、一時は1,400軒ほどのイ草農家があったそうです。近年の畳需要の減少により年々減り続け、今では『宮本農産』1軒のみになってしまったそう。
 
【金沢フォーラス】小松イ草を次代へ

中に入ると、年季の入った機械が並んでいます。さっそく、畳表(ござ)を作るところを見学させてもらいました。
 
【金沢フォーラス】小松イ草を次代へ

まずは、乾燥させたイ草を機械に入れて長さを選別します。4代目の隆史さんが手慣れた様子で入れていきます。
 
【金沢フォーラス】小松イ草を次代へ

機械だけでは、やはり違うものが混ざっていることもあるそうで、最後はしっかりと人の目と手で確認していきます。
短いものは以前は捨てていたそうですが、今回のしめ飾りのように編み方を伝え広めたり、最後まで大切に使えるよういろいろな活用方法を考えているそうです。
 
【金沢フォーラス】小松イ草を次代へ

次に、選別したイ草を機械にセットします。
ギュッギュっと力強く編み込まれいくイ草。どんどん形になっていきます。
 
【金沢フォーラス】小松イ草を次代へ

機械によって正確に、均一に編み込まれていくのですが、やはりここでも時折、端の部分がずれ込んでいくことがあるとのこと。その都度、ひとつひとつ丁寧に取り除いていく宮本さん。
 
【金沢フォーラス】小松イ草を次代へ

最後はやはり、人の手。
こういった細かい手作業があるからこそ、目の詰まったキレイで丈夫な畳表(ござ)ができあがるんですね。職人技が光ります。
 
【金沢フォーラス】小松イ草を次代へ

「いい機会なのでこれ、匂い嗅いでみてください!」
宮本さんが奥から持ってきたのは、刈り取ったそのままイ草の束。言われるがままに匂いを嗅いでみると……ん?あのイ草特有の匂いが全くせず、どちらかというと草の匂い⁉
 
乾燥させるために泥をかけるそうなんですが、あの特有の匂いは、その泥からくるとのこと。
「イ草自体はほんとはほとんど匂いがしないんですよ~」

また、苗を増殖しながら育てるイ草は、できあがるまでに1年9ヶ月もの年月がかかるそうです。毎年できるものではないんですね。
 
【金沢フォーラス】小松イ草を次代へ

〈小松イ草を次代へ〉

寒い雪の下で育った小松イ草は強くたくましい。
厳しい環境の中でも、丈夫で長く使える畳を作り続けてきたのは、「畳の暮らしを守りたい」この一心から。
宮本さんの熱い思いを知る、貴重な時間を過ごさせていただきました。
今度は青々としたイ草が育っている時期にお邪魔させていただきたいと思います。
ありがとうございました。

宮本農産
石川県小松市白江町タ413番地

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