つなぐ・むすぶ・GAP福島の桃ものがたりのイメージ

つなぐ・むすぶ・GAP
福島の桃ものがたり

桃の一大産地である福島県。桃の甘さや美味しさにこだわるのはもちろん、安全・安心の取り組みにも力を入れています。
福島県の生産者は、『GAP(ぎゃっぷ)(農業生産工程管理)=よりよい農業の実践』に懸命に取り組んでいます。
GAPは人にも、環境にも優しい持続可能な農業の証でもあります。
GAPを行うことで生産者から食卓へ信頼のある農産物をつなぎ、そして次世代や未来へ農業をつないでいきます。
諸国良品では、食べる人・働く人・環境などへの配慮に懸命に取り組む姿を取材しました。
その想いとともにGAP認証の『福島県の桃と野菜』をお届けします。

福島県で育つ桃

福島県福島市の盆地特有の気候や土壌は、桃の甘さを引き出し、美味しさを生み出します。
代表品種の『あかつき』は桃の香りに程よい歯ごたえ、果汁感、甘みとコクが味わえます。
GAP認証の桃を栽培している、菱沼農園・大友農園に美味しさの秘訣やGAPについてお話をお聞きしました。

「くだものが主役」菱沼農園の桃へのこだわり

「くだものが主役」菱沼農園の桃へのこだわりのイメージ

「くだものが主役」菱沼農園の桃へのこだわり

福島市飯坂町で21種類の桃を育てている、菱沼農園。「自然の中で生き物と仕事をしている。その調和をもとに美味しいものをつくりたい。」という思いで果樹の栽培を行っています。栽培する中で、桃の実がなる前の樹の作りが最も大事だといいます。光がまんべんなく当たり、健全な葉っぱをつくることで栄養が行き渡り、桃の甘さ・美味しさにつながります。自然の持っている力を最大限に活かして、美味しくなるお手伝いをする気持ちを大切にしています。

次の世代につなぐ、GAP

次の世代につなぐ、GAPのイメージ

次の世代につなぐ、GAP

菱沼農園では、認証GAPの取得前から安全への徹底とともに、栽培管理のマニュアル化を行っていました。誰でも美味しいものが作れるようにと作業のマニュアル化を進めていたところ、GAPと概念が一致していたこともあり、取得に至りました。マニュアルを活用することで、菱沼農園は他業種から農業への転職をした若手社員の活躍にもつながっています。美味しさへのこだわりを継承していく仕組みづくりを行い、美味しい桃をお客様の元へお届けしています。

大友農園のさまざま安全につながる農業

大友農園のさまざま安全につながる農業のイメージ

大友農園のさまざま安全につながる農業

自然豊かな吾妻山の麓にある、大友農園。「一番は、お客様に喜んでもらえること。選んで頂いたみなさんのために、美味しいことはもちろん、自分たちも食べるものなので安全なものを作ることを目指しています。そして、働く人の安全も大切にしたいと考えています。家族経営なので1人でも怪我をすると、作業が滞ってしまいます。GAPの点検項目にもあるように、事前に危険な場所を把握して記録・共有することで事故を未然に防いでいます。」と大友農園では、農産物の安全だけではなく、農作業を行う人の安全、そして周辺の豊かな自然環境の保全を考え、家族3名で桃をはじめとした果物を育てています。

諸国良品からお届けします

GAP認証の桃

GAP認証のやさい

GAPの項目を知ろう

GAPには、100項目以上の細かな項目があります。作業工程の事例を見てみましょう。

農場ルールの作成

農場ルールの作成

農場のルールをマニュアルにまとめることで、作業手順が明確化され、作業の効率化につながります。

気持ち良く安全に働ける環境づくり

気持ち良く安全に働ける環境づくり

作業中のリスクを見える化して事故などの防止を図るなど、労働条件や労働環境を整備し、よりよい農場を目指します。

農薬や肥料の適切な使用と管理

農薬や肥料の適切な使用と管理

農薬や肥料を適切に使用することで、環境に配慮した農業に取り組んでいます。

収穫物の適切な使用と管理

収穫物の適切な使用と管理

農産物は衛生的に管理された施設に保管・貯蔵し、袋詰め作業をする際、汚染や異物混入に気を付けています。

福島県とGAP

福島県とGAPのイメージ

福島県とGAP

野菜や果物を購入する際に、食味、旬、新鮮さ、価格、産地など様々なことを思い巡らせて購入されていると思います。食物の安全性を重要視する方もいらっしゃると思いますが、農産物の安全性は、農産物の生産工程すべてに関係しています。適切な生産工程で栽培されたことを証明するのが、『GAP認証』です。
GAP(Good Agricultural Practices)は、『よい農場』となるための『やり方』を示したもので、その『やり方』には、環境保全や労働安全など、農業のSDGsの達成に貢献する内容も多く含まれています。福島県は、生産者とともにGAPの導入・取得・拡大を進めています。

未来へつなぐ、福島県の高校・短大の取組

未来へつなぐ、福島県の高校・短大の取組のイメージ

未来へつなぐ、福島県の高校・短大の取組

福島県では、福島県立農業短期大学校と8つの農業系高校において、GAP認証を取得しており(2024年6月末現在)、生徒・学生が主体的にGAPに取り組んでいます。
GAP認証の取得を通じ、生産現場としての農場の責任や持続可能な農業も学んでいます。また、GAP認証農産物の販売方法や6次化商品の開発など、栽培の『次』を考える力もついています。
福島県の農業の未来を担う高校生や農業短期大学校学生の取組を応援してください。

わたしたちの想い

菱沼農園 菱沼 健一さん・かおりさんのイメージ

菱沼農園 菱沼 健一さん・かおりさん

FGAP認証の桃の栽培しております。主人公は常に果物であり、美味しい果物を実らせてくれる葉や樹の管理を日々行っております。新規就農者が多い当農園では、美味しいくだもを作るためにマニュアル化することや日々の作業を記録することで、事業継承にも繋がり、生産現場では作業の効率化を図ることができています。第三者が安全だと証明するGAPは「安全の証」でもあるので、安心して召し上がっていただきたいと思います。

大友農園 大友 伸夫さん・久美子さん・悠花さんのイメージ

大友農園 大友 伸夫さん・久美子さん・悠花さん

JGAP認証を2019年に取得。初めは各種書類作成に苦戦しました。
家族3人別々に仕事を行う日も多く、水稲のドローンでの防除の外部委託、不定期で外部の方が2名ほど作業に加わる時期もあるため、作業の流れや圃場ごとの状態を文字に書き起こすことで働く人の安全を考え直す良い機会となりました。
今後も継続し、安心・安全な農作物をつくるだけではなく、働く人の安全も大切にしていきたいです。

福島県農林水産部 環境保全農業課 鈴木 真由美さんのイメージ

福島県農林水産部 環境保全農業課 鈴木 真由美さん

毎日食べている野菜や果物がどのように作られているか考えたことがありますか。
第三者が農産物の生産工程を審査し、認証を与える「GAP」は、誰が、どんな工程で野菜や果物を作っているのかを「見える化」しています。
「GAP」において示されているよい農場のやり方は、持続可能な農業を支えています。福島県の生産者は、GAPの取組を進めていますので、「GAP」を「知って」、「探して」、「食べて」応援してください。