諸国良品
超長期鮮度維持技術により、年間を通じて世界へ柑橘をお届けしています【増田柑園】
2022/11/25
日本一、細長い佐田岬半島にある旧瀬戸町(現伊方町瀬戸地区)。瀬戸内海の潮風があたる段々畑で柑橘を栽培して、現園主で4代目を迎えました。信号機もコンビニもない不便な地域ですが、超長期鮮度維持技術により、年間を通じて世界へ柑橘をお届けしています。
潮風のあたる段々畑と聞くと、風光明媚な環境と感じるかもしれませんが、栽培する農家にとってはとても厳しい環境です。何より、強風から果実を守る防風垣が必須です。この防風垣の長さが数キロになり、毎年の手入れが追加で必要になります。また、季節風が吹く真冬の収穫作業は、体感温度は氷点下になり、手足の感覚が無くなります。
この防風垣だけでは季節風から果実を守れないので、さらに果実が実っている枝を紐で誘引して、果実が枝に当たって傷まないようにしています。この誘引する紐の長さも毎年10kmくらいになります。
越冬して収穫する果実には、鳥に食べられないように一つ一つ果実袋をかけて守っています。季節風がなければ、木をビニールで覆うことが可能なのですが風が台風並みに吹くのでビニールが飛ばされてしまいます。また、雪が積もると木が倒れてしまうこともあるので、袋をかけるのが一番の防御となります。
増田柑園では、この袋かけを毎年10万個程度、約一ヶ月間を費やして行っています。収穫して消費者の方へ届ける時には、この袋から取出して一つ一つ手と目で見て選別して出荷しています。果実に傷を付けないため、選果機などの機械は使用していません。
増田柑園のオリジナルの栽培方法は、以前から長い期間貯蔵が出来ていました。そこで、さらにこの貯蔵期間を長くすることが出来ないかと試行錯誤を繰り返して数年。今では、夏場でも生果実をお届けできる超長期鮮度維持技術により年間を通じて生果実をお届けするようになりました。
この超長期鮮度維持技術により、輸送日数がかかる海外への輸送にもしっかりと対応出来ることから、今では世界の方々に、美味しい日本の生の柑橘を毎年お届けしています。
生産者紹介
-
生産者名 増田柑園 詳細
神奈川県でエンジニアとして勤務しながら、将来を見据えて大学へ進学。卒業後、帰郷して4代目園主となる。これまでとは異なる視点から、故郷(ふるさと)を次の世代に引き継いでいくために、農業を通じてどのようなことが出来るか日々奮闘中。