完熟いちごで、みんなを笑顔に。都市近郊のいちご農園【Slow Farm】

完熟いちごで、みんなを笑顔に。都市近郊のいちご農園【Slow Farm】

諸国良品

2023/01/13

新宿や渋谷などの都心部からも1時間ほどでアクセスが可能な川崎市麻生区早野に、2020年にオープンしたいちご農園「Slow Farm」。 2022年冬には、採れたての完熟いちごやそれまで廃棄せざるを得なかったいちごを使った、直営のパティスリーもオープン。園主の安藤圭太さんは「食べた時に思わず笑顔になるような、香り高くジューシーないちごが日々の食卓を豊かにしてほしい」と、日々栽培に取り組んでいます。

記事内画像:001完熟いちごで、みんなを笑顔に。都市近郊のいちご農園【Slow Farm】

地元・麻生区の出身で、代々農家の家に生まれた安藤さん。祖父の代には、日本において当時先駆けだった農家が直接販売する直売会をスタートするなど、攻める農業を見てきました。 それでも若い頃は農家を継ぐつもりはなく、10年ほど旅行代理店に勤めていました。もともと独立志向があったという安藤さんは、独立するにあたり色々検討し、結果農業の道へ。

しかし、実家でいちごを手掛けてきたことはなく、視察で訪れた東北のいちご農家さんとの出会いがヒントになったといいます。「スーパーなどに並ぶいちごは完熟前に収穫しているので、どうしても香りや一番食べ頃の味を食べてもらえません。 東北の農家さんは輸送方法を工夫することで、完熟ギリギリに収穫し、高付加価値をつけていました」

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地元とはいえ、新しく農地を借りるのには大変な苦労があったと話す安藤さん。近隣の住民や地権者に理解いただき、ようやく念願のいちご農園をオープンするに至りました。 当初、いちご狩りをメインに見据えてスタートした「Slow Farm」でしたが、突如現れた新型コロナウィルスの影響をダイレクトに受けることに。それでも「いちご狩りのようなレジャーは平和産業なので仕方ない」とすぐに直売に舵を切りました。

「Slow Farm」の完熟いちごは、温度管理を徹底し、花から実になるまでじっくり育てるのが特徴。また、実が赤くなるまでに時間をかけることで、実に蓄えられる養分が多くなるよう心がけ、おいしいいちごに育てています。そんないちごはすぐに評判を呼び、家庭用に購入される方はもちろん、今では地元の手土産にも選ばれています。 そして、お客さんのニーズや夏場の売り上げ、さらにはB品の活用のため、2022年2月に農園横にパティスリー「Slow Sweets」をオープンし、こちらも人気を博しています。

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今年度は新たに栽培面積を増やし、より多くの方を笑顔にするために奮闘中の「Slow Farm」。今後はいちごをメインにしながらも、メロンやブルーベリーなどの栽培にもチャレンジし、年間を通してお客さんが農園に足を運べるようにしていきたいといいます。

「本来その場所に根付いていた食文化や生活に対して、改めて関心を持つ“Slow Food”や“Slow Life”という言葉。川崎という都心に近い場所でも、旬を感じながら地元で作られたものを食べられる、そんなライフスタイルに近づくお手伝いができる農園でありたいですね」と安藤さんは語ります。

生産者紹介

  • Slow Farm

    生産者名 Slow Farm 詳細

    神奈川県川崎市麻生区にある、いちご農園。完熟いちごにこだわった、いちご狩り・直売を行なっています。農園内にパティスリー「Slow Sweets」を併設。その他、「いちごの定植体験」や季節のワークショップなども開催し、地元とのつながりを深めています。また、園主の安藤圭太さんは、麻生区内の若手農家グループ「畑から、台所へ。」のメンバーとしても、活躍しています。