パインは”追熟しない果物”であることをご存じでしょうか。よくパインは”イガイガ””ピリピリ」する”というイメージ持つ方がいらっしゃいますが、それは未熟で収穫されていることが主な原因の一つです。
一般的な流通では日持ちさせるために未熟な状態で収穫をしますが、パインは追熟しないので未熟のままお客様の手に渡り、本来の美味しさが届けられていないジレンマ。そんなの現状を覆したいと、アララガマ農園では徹底的に完熟収穫にこだわります。
苗を植えてから収穫まで2年の年月がかかるということも取材で初めて知りました。パイナップルの苗=実の脇に生えてくる芽のことで、これを摘み取り、土に植えます。植え付けから1年半くらいで花が咲き始めるのですが、その花のかわいいこと。
その花が一つ一つが実として膨らんで、開花から半年後に収穫するのですが、なんと1株からとれる果実は1玉。そんな貴重な果実を一玉一玉完熟を見極め収穫していきます。必ずしも 色 = 熟度 ではなく、ツヤやハリなどを見て総合して判断しています。
苗を植えてから3年目も、うまくいけば1玉収穫が可能ですが、収量は2年目より大幅に落ちます。4年目にはまた株を全部抜いて土を休ませ、翌年また苗を植える、これがパイン栽培のサイクルです。アララガマ農園では収穫前の1年間は農薬も肥料も使いません。
その理由は、パインの味や品質と農業の持続可能性の為。西表島は島の90%が熱帯雨林に覆われており、世界自然遺産にも登録されています。その貴重な環境をこれからも持続可能にするため、島への愛情あふれる、作り手のこだわりを感じました。