やれることは全部やりたい、手間も楽しんで美味しい梨づくりにこだわる【上の山 彩果園】

やれることは全部やりたい、手間も楽しんで美味しい梨づくりにこだわる【上の山 彩果園】

諸国良品

2023/08/01

福島県郡山市熱海町。そこは見渡すと緑豊かで、ほっとする景色が広がっています。山の高台にある『上の山 彩果園』。磐梯山や猪苗代湖がある会津地方と接しており、標高約300mにある園地は昼夜の寒暖差が大きく、食味の良い梨が育ちます。磐梯熱海エリア一帯が明治30年頃から果物の栽培地として始まりました。彩果園でも、早くから梨を育てており、現在園主を務める阿部智輝さんは現在4代目。先代である、祖父母から農園を継いで取り組まれています。

幼少期時代は、関東で暮らし、長期休暇は祖父母の住む福島県へ訪れていたいう阿部さん。幼い頃から農業に触れ『楽しさ』を感じていたそうです。社会人になり、仕事を辞めた際の休暇で訪れた、祖父母の果樹園は収獲シーズン真っただ中でした。収獲やお客様と触れる楽しさを感じ、そこから3年ほど祖父母から農業を学びました。

後継者としての決心は、不安も大きかったといいます。収穫の喜びや、農業の楽しさを積み重ね、現在は園主になって8年。取材に訪れた日には、夏休み中の息子さん、娘さんも直売所のお手伝いをしていました。家族みんなで「楽しくやっていこうね」と心から農業を楽しむご家族の姿が印象的でした。

記事内画像:001やれることは全部やりたい、手間も楽しんで美味しい梨づくりにこだわる【上の山 彩果園】

彩果園の梨へのこだわりは、『とにかく、手間ひまをかけること』そして『これがいいと思ってもらえる梨を届けること』
「労力はかかるけれど、人と時間、お金をかけてでもより良い品質の梨を届けたい。お金を出して買ってもらっているので、やれることは全部やります。とにかく楽しく、自分としても後悔をしたくないです。」と笑顔で阿部さんはいいます。
果樹栽培に欠かせない水にもこだわっています。春から夏にかけて畑が乾燥する時期は、猪苗代湖を水源とする安積疎水からくみ上げた水をスプリンクラーを使って散水しています。防除用の水は、飲用水として利用できるほど水質がきれいな、敷地内の山の湧水を使用しています。

そんな阿部さんの梨は、各地へのお届けや農園の目の前にある直売所でも多くのお客様に愛されています。美味しさに加えて、生産者の顔が見えることもお客様に支持されている理由のひとつ。「届ける側として守らなければならないといけないこともあります。」と教えてくれたのは農薬残留問題について。そこに課題を感じた阿部さんはGAP(※)の取得に取り組みました。「生産者の言葉をお客様は信じると思います。言葉だけでなく第三者の機関が安心の認証をくれることで、お客様にもより安心して食べてもらいたいです。」そんな想いで、FGAPを取得しました。※GAPとは、環境に負荷をかけず、農業を行うひとの安全や人権を守り、安全性の高い農作物を生産すること。

記事内画像:002やれることは全部やりたい、手間も楽しんで美味しい梨づくりにこだわる【上の山 彩果園】

先代の技術を継承しつつ、新しいことにも取り組まれています。それが『ジョイント栽培』です。苗木と苗木を、接ぎ木の技術を利用して接続する農法で、分散して根を張り、栄養を木に届けるので通常よりも早く成長することが出来るそうです。磐梯熱海の土地は粘土質で粘りが強く、根が育つまで成長に時間がかかります。良いものが育つ土地だからこそ、たくさんの方へ届けたい想いで新しいことへも挑戦しています。

自分が経験した農業を次世代に繋げるために、近隣の小学校の授業に講師として参加をしている阿部さん。「農業に触れるきっかけを作っていきたいです。子ども達が大人になった時に収穫が楽しかったことや、美味しかった印象がひとつでも残っていれば、自分がやりたいことを探した時にひとつの選択肢として、農業を選んでもらえるかなと思っています。」と、子ども達に積極的に声をかけているそう。農業を楽しそうに語る姿は梨のように光り輝いていました。

記事内画像:003やれることは全部やりたい、手間も楽しんで美味しい梨づくりにこだわる【上の山 彩果園】

生産者紹介

  • 上の山 彩果園

    生産者名 上の山 彩果園 詳細

    当園がある磐梯熱海エリアは、明治30年代から続く歴史ある果樹産地です。
    当園では、美味しさへのこだわりに加え、エコファーマーやFGAPの認証を取得し、安全で安心して食べられる梨をご提供します。
    定期的に土壌分析を行い、堆肥等の有機質肥料の施用、化学肥料の低減に取り組んでいます。

関連商品