海沿いの耕作放棄地を借り、山の赤土を整備してはじめたこの畑では、沖縄から取り寄せたさとうきびの苗がしっかりと成長。黒砂糖の原料になる汁を絞った後の搾りかすを細かく裁断、発酵熟成させた自家製堆肥だけを畑に戻す「循環栽培」
農薬や除草剤を一切使わず、自家製の「竹酢液」を虫除けとしてまくことで、美味しいさとうきびの栽培が可能に。質の高い黒砂糖をつくるためには、様々なこだわりがあります。まずは、健康な原料。根からおよそ50センチの完熟し最も糖度の高い部分のみを収穫。残りも、来年のために焼畑をして、きちんと活用しています。
次に製造。黒砂糖づくりは伝統的な製法を用いて、全て手作業で行っています。収穫後はすぐに製糖所に運んで搾り、灰汁をとり、薪をくべて火力を調節。この作業に、約2時間。
みるみる固まる黒糖を炊く作業はスピード勝負。固さの具合も人の経験だけ。気温による薪の火力を調整しながら人手も、時間も、かけて少しでも美味しく出来る様に調整します。だからでき上がる量はほんのわずか。
揚釜に移してさらに煮詰め、冷ましたら釜に移して30分。どろりとなったら、すぐさま折り箱に流し込みます。固め作業も、北海道産の貝殻焼成カルシウムという貝殻を燃やしてつくられた天然由来成分の粉末を少しだけ、というこだわりが。
こうしてできたばらん家の黒砂糖は、お茶請けにはもちろん、お料理に使えば、照りやコクのある一品に。ほろっとほどける優しい口触りと、さわやかな酸味、じんわりとした優しい味わいが口の中に広がります。販売は500g程度と少し大きめですが、あっという間に使いきってしまうかもしれません。