温泉の恵みから生まれた「湯庵プリン」

キービジュアル画像:温泉の恵みから生まれた「湯庵プリン」

諸国良品

2017/11/24

平成の名水100選にも選定され、7年連続「水質日本一」に選ばれている福島県の荒川。そのたもとに佇む山あいの温泉地には、昔から地元の人や旅人に愛されている“温泉たまご”があります。源泉の力と先人たちの知恵から生まれた温泉たまご作りを繋ぎ続けるのは、昭和46年創業の旅館の2代目女将。そんな女将が、福島の恵みを生かした新たなスイーツを開発しました。

こけしの里としても知られる土湯温泉。震災直後には、被災者や復興支援者の受け入れ先として活用されるものの、その後は福島県全域に対する風評被害からの観光需要低迷により、5軒もの旅館の廃業が余儀なくされました。

そんな温泉地の一角に、昭和46年創業の旅館「ニュー扇屋」はあります。彼らは旅館にして名物・温泉たまごの生産者。ふつふつと湧き出る源泉が68度という、卵黄の凝固点に限りなく近かったことが、温泉たまごという名物を生み出しました。さらに、源泉に含まれる微量の塩分が卵に浸透し、白身はほんのり塩味、卵黄は卵本来のコクが一層増した逸品として親しまれてきました。

「この温泉たまごを皆さまに届けていくことが私の使命と捉え、源泉を守って参りました」そう話すニュー扇屋の2代目女将、森山雅代さんは、この源泉と地養卵こそが、美味しさの秘訣だと語ります。地養卵とは、自然の飼料(地養素)で育てられた鳥が生んだ卵のこと。一般の卵よりも甘みとコクがあり、旨味が凝縮されている卵です。

「この卵を使って、福島の恵みをさらに伝えていくことはできないか」そう考えた森山さんは、新しい名物を作るべく、岐阜のプリンパティシエの元へ修行に訪れます。卵の美味しさをストレートに表現するために、添加物は使わない。さらに、そこに福島らしさを追求することにこだわり、試行錯誤を繰り返すこと2年。ようやく納得のいくプリンが完成しました。

口に入れた瞬間トロけるのは、凝固剤など添加物に頼っていない証。福島らしさは、近隣で採れる美味しいハチミツをジュレにして、プリンの上にトッピングすることで表現しました。今後はこのトッピングに、桃やイチゴといった特産品を使うことで、福島の多様なフルーツを紹介したいと意気込みます。

旅館の女将業を続けながら、新しい名物の開発に邁進し続けるのも、すべては福島の恵みを、源泉を守っていくため。森山さんは「この温泉たまごやプリンがきっかけとなって、少しでも多くの人に土湯温泉を訪れてもらえれば」と話します。2017年秋には公共の足湯施設もオープンする土湯温泉。足湯につかりながら、このプリンで舌鼓を打たれてみてはいかがでしょうか。

生産者紹介

  • 供給者画像:生産者名 源泉湯庵 森山

    生産者名 源泉湯庵 森山 詳細

    福島市内から車でわずか30分程の土湯温泉で、昭和46年創業の旅館「ニュー扇屋」を切り盛りする傍ら、自家源泉を生かした温泉たまごを作り続ける。源泉は「温まり方が違うね」とお客さんからも評判の、循環もろ過もしない純温泉。その源泉の力だけで作られている温泉たまごは、まさに温泉の恵です。

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