
真砂家に代々伝わるそうめんづくりに携わるのは、3代目博明さんと4代目淳さん、そしてそれぞれの奥さんの4名。家族でそうめんづくりに携わる姿は、なんともほっこりする光景。
淳さんがそうめんづくりに携わるようになって15年。それでも、未だにお父さんにしかわからない塩の配合があるのだそう。「最終的な塩加減はまだ親父にしかわかりませんね」
SNSで日干しの写真をあげると、若い人からも反響があった。「そうか、僕らにとっての日常は普通の人にとっては非日常なのか」と、気づいたのだと淳さんは続けます。

「『おいしいものを作っていたらお客さんは買ってくれる』と親父は言うけれど、もっと若い人にも手に取ってもらいたいとの思いでパッケージを一新しました」。
ところで、店名の「喜之助」は2代目の真砂喜之助さん。そうめんを小脇に抱え家々の門戸をくぐっては杯を酌み交し、格別なそうめんをふるまったことから島中の評判となったそう。
淳さんが島内外の人たちと丁寧に関係を築いている姿、喜んで欲しいと爽やかに語る笑顔からは、これが現代に受け継がれた「喜之助スピリット」だと、なんだか感慨深く思うのです。