料理人として働きながら、鮮魚仲買組合の会長や観光協会副会長の顔も持つ前さん。島の海産物の素晴らしさを広めるために選んだのは、島で獲れるものの人気が低く、使われない部位もあるシイラとソデイカでした。
こんなに美味しいのにもったいない! これらを上手く加工して製品にしてあげれば、価値が出て無駄がなくなるのではないか。有効利用につながるのではないか? そんな思いが商品開発のきっかけとなりました。
最初に取り組んだのは生ハム。上質なシイラとソデイカを島の粗塩と純黒糖のみで低温熟成し、サトウキビの搾りかすで燻せば……素材の旨味が凝縮され、さとうきび香る『100%沖永良部島産・生ハム』の完成です。
次はソーセージ。生ハムでは使わないゲソや軟骨、皮なども使えるよう試行錯誤を重ねました。ソデイカ本来の持ち味を生かすため、味付けは塩のみ。口いっぱいに広がる海の香りとプリップリの食感が特徴です。
もうひとつ欠かせないのが『まーさぬ豚角煮』。島で豚は、お祝いに食されるご馳走です。たっぷりの黒糖焼酎と醤油や砂糖、みりんを使って、とろける食感と絶妙な味を気軽に楽しめるよう仕上げました。
「沖永良部島の漁師、仲間、サポートしてくれた人々への感謝を胸に、今後も新たな商品開発に挑み続けたい」と語る前さん。島への愛情あふれる新作にもご期待ください。