串本町のキンカンは明治時代末期に同町樫野地区の樫田文衛門さんが導入したのが始まりで、現在全国の産地の中では最も古いとされています。大正時代以降栽培が急速に広まり、昭和30~40年代にかけて最盛期を迎えました。
紀伊大島のキンカン生産者は「串本金柑部会」に所属しており、70代の生産者が中心となって産地維持に努めています。時には部会の仲間と情報交換をしながら、意識の統一や品質のレベルを高め合っています。
県外にキンカンの産地が少ないことから、品質や生産性の向上を目的とした視察研修などはせず、独自に産地を形成してきました。
剪定、施肥、除草剤を使わない草刈り、黒点病対策の消毒、収穫前の摘果など、収穫までに一年を通して作業をこなします。
キンカンを水洗いしタネとヘタを除き、そのまま丸かじり、ジュースなどで美味しくお召し上がりいただけます。100グラム当り、ビタミンE2.6mg、マグネシウム19mg、カルシウム80mg、食物繊維は4.6グラムと豊富です。
フルーティなキンカン酒に、甘く煮詰めて甘露煮に、また一度キンカンを茹でこぼし、はちみつ、しょうがと煮てキンカンしょうが茶にしても美味しくお召し上がりいただけます。