女性の輝く町・熊本県河内町の宝

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諸国良品

2019/09/13

熊本市内から車で40分ほどの河内町(かわちまち)では、キラキラと光り輝く有明海を眼下に、200年以上前から、みかん栽培が行われてきました。しかし、昔に比べて土地の価格は下落。河内町で生まれ育ちみかん農家に嫁いだ、うきこ農園の村上浮子さんは「このままじゃ嫁に来る人がいなくなって、子どももいなければ学校もつぶれてしまう…」と地元が荒廃していくことに危機感を覚えます。そして、河内町を元気にするために注目したのが、地元の宝である「みかん」でした。

村上さんは2001年に会員を募り、47名で「フレッシュ河内グループ」(「うきこ農園」の前身)を設立。会員はみんな30~50代の主婦たちです。「ものづくりは1人より10人、10人より100人でやった方がいい」と村上さんは話します。

村上さんたちは減農薬および熊本県が認証する「有作くん」基準(減農薬・減化学肥料)により、みかんを栽培。畑はクモの巣がいっぱいでとてもワイルドですが、それだけ安心・安全である証拠です。

ある時、会員同士で話をしていると、栽培時に間引く目的で落としていた青みかんを使って、自分たちのお母さんたちがジュースを作ってくれていたという思い出話になりました。「あの懐かしい味を再現して商品化できないか?」そうして生まれたのが「青二彩(あおにさい)」ジュース。酸味と苦みのバランスが最もおいしい8月下旬の2週間に収穫した青みかんを丸ごと、皮ごと搾汁しています。

熊本県産業技術センターの研究によると、青みかんの果汁や果皮成分には、花粉やホコリをはじめとして、鼻水・くしゃみ・目のかゆみ等アレルギー症状の緩和や予防対策に効果があるという分析結果が出ているといいます。おいしいだけでなく、健康や美容にもオススメのジュースです。

ほかにも、通常出荷されるみかんよりも長く、木に実らせたままじっくりと収穫を待ち続けた、糖度の高い完熟みかんだけを使用したジュース「紅一天(こういってん)」や、紅茶、ぽん酢など、次々とみかんの果汁や花、果皮を使って、商品開発をしています。

「憧れられる女性が増えれば、地域は変わる」そう話す村上さんの飾らない姿と、河内町の良さを発信していきたいという強い想いが周りを巻き込み、どんどんと町の魅力をカタチにしていっています。

生産者紹介

  • 供給者画像:生産者名 うきこ農園 代表・村上浮子さん

    生産者名 うきこ農園 代表・村上浮子さん 詳細

    河内町出身で「うきこ農園」代表の村上浮子さんは、地元を元気にするために自分に何ができるかを考え、「安心・安全・無駄をなくす」を合言葉に、次々と地元の特産品を生み出しています。
    「私は河内弁しか話せないおバカさんだけど、大好きなこの河内の町に後継者を作って死にたいわね」と語ります。

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    青みかんのジュース