おいしく食べて森林保全にもつながる、北九州の春の味覚

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諸国良品

2017/03/13

市町村単位では日本一を誇る、北九州の竹林面積。そんな北九州の春の味覚を代表するのが「合馬(おうま)たけのこ」です。もともと八幡製鉄所で石炭を入れて運ぶカゴを作るために竹が利用されていましたが、その後食用として缶詰などに活用されてきました。しかし近年、中国産などの安いタケノコに押されたり、高齢化の問題で竹林が放置され人工林を侵食するなど問題に。合馬地区では15年以上前から「合馬たけのこ振興会」を立ち上げ、タケノコの生産と森林保全を行っています。

京都の料亭などでも出される「合馬たけのこ」は、アクが少なく、やわらかい舌ざわりが特徴です。品種は食用の筍として代表的な孟宗竹(もうそうちく)ですが、そのおいしさの秘密は合馬地区の土壌と生産方法によるもの。

「合馬たけのこ」の生産には、ある程度水分を含んだ赤土の粘土質が必要なため、縦横無尽に広がる地下茎に赤土を10cm程被せて育てます。地下茎から出たタケノコの芽が土の表面に出て日光を浴びて色が黒ずみ堅くならないためです。

また、毎年出来のいいタケノコを収穫するために、いらない古い親竹を伐採し、新しい親竹へ変えていく作業も必要になるそう。このように、自然に生えてくると思っていたタケノコですが、よりおいしくするために「合馬たけのこ」は生産者の愛情を受けて育てられています。

「竹林は1年置いたらもう手がつけられなくなる。それだけ繁殖力が強いんです」そう話す生産者の三村訓章(のりあき)さんは、子どもの頃から竹と共存してきたと語ります。今では自分の山以外の手入れも請負い、「たけのこ守り隊」としても活躍しています。

三村さん曰く、「タケノコは鮮度が命」。合馬たけのこ体験園では地中に埋まったタケノコを朝掘りし、その日のうちに出荷することにこだわっています。タケノコが届いたら早めにアク抜きをしてお召し上がりください。まずは冷ましてワサビ醤油や酢味噌などをかけて食べるのがオススメです!
おいしい筍料理レシピ(PDF: 3.2 MB)

生産者紹介

  • 供給者画像:生産者名 合馬たけのこ体験園

    生産者名 合馬たけのこ体験園 詳細

    15年以上前から合馬地区のタケノコの振興に努めています。毎年春には体験園を運営し、一般の人にもタケノコ掘りを体験してもらったり、早くから朝掘りタケノコの直送を行うなど、「合馬たけのこ」の魅力を発信。三村さんが会長の時、「合馬たけのこ振興会」では、高品質タケノコの生産関連活動が森林保全と地域振興への貢献が認められ、林業経営で内閣総理大臣賞を受賞しています。