和三盆は四国で育てられているサトウキビからできあがります。一般的なサトウキビと比べて、茎が細い品種のサトウキビで、沖縄などで育てられているものとは異なる品種です。地元では「細黍(ほそきび)」と呼ばれています。
細黍(ほそきび)は花が咲かないサトウキビで、茎に栄養をぐっと蓄えます。
そのため、この細黍でないと、和三盆の味はでないんだそう。
収穫されたサトウキビは、搾汁や煮詰めなどの工程を経て、白下糖へと生まれ変わります。この段階では、糖蜜の味が濃く、ザラザラとした食感なのですが、「研ぎ」と「押し船」という伝統的な分蜜方法を繰り返すことで和三盆が出来上がります。
<分蜜作業①「研ぎ」>
冷水を使用して砂糖の結晶を手のひらで細かく研いでいきます。
研ぎ方も職人独自のやり方なので、ここに職人のこだわりや想いがこもります。
<分蜜作業②「押し船」>
研いだ和三盆を布袋で包み、石の重みを利用して「蜜」を抜いていきます。
石の重さや、押し船をする時間は製糖所によって異なります。
ひとつひとつ手間のかかった和三盆。素材の味をぐっと引き出してくれるその優しい味は、コーヒーや紅茶、お茶などにもピッタリです。フルーツにかけても美味しいですよ。