市場に多く流通する酢は、醸造用アルコールを原料に24時間ほどで造られる速醸法によるものですが、庄分酢では、発酵や熟成に時間をかける静置発酵法を採用。「食卓に欠かせないお酢だからこそ、伝統を守り、時を受入れる」と話します。
築80年の蔵の中は通気性に優れ、夏は涼しく、冬は暖かく、一年中温度が安定しています。それでも酢職人たちは菌を見守り、微生物の働きを促してやります。また、蔵の中にいる「蔵付き菌」が酢を育てまろやかな味を醸します。
効率を追い求めては造られない庄分酢の商品。一方で「守るべきは守りながらも、現代のくらしのなかで取り入れやすい酢も提案していきたい」と14代目の高橋一精さんは話し、様々な果実から造られた酢や飲む酢なども手掛けています。