世界一の電波塔である東京スカイツリーを有する墨田区は、東京都内で大田区の次に工場の数が多く、“ものづくりの街”として発展してきました。そんな墨田区にある「すみだ珈琲」では、江戸切子のカップでコーヒーを飲むことができます。
江戸切子は、透明硝子の上に色硝子を被せ、回転する円盤状のダイヤモンドの刃で削って、模様づけをします。薄い硝子を同じ深さで削っていくので繊細な力加減と技術が必要です。
「一品ものではなく、同じものを幾つも作れる技術が必要。一日中作業できるように、手に力を入れすぎてはダメ」と職人歴21年、すみだマイスターの川井更造さんは話します。
削りに加えて、磨きの工程も重要。最近は、手磨きの代わりに薬品を使って仕上げてしまうところも多いなか、質の高さを保つため、しっかり手磨きをしています。
観賞用としてでなく、日用品として伝統工芸品が時代にあわせて磨かれていくことを認識させてくれる、江戸切子のカップ。普段のコーヒーも、カップを変えるだけで特別な一杯に。贈り物にも最適です。