日本一広い「琵琶湖」を有する滋賀県。現在も「湖国」と呼ばれるように、琵琶湖は県のシンボルで、豊富な水資源と環境を活かして、昔から繊維産業が盛んです。
県内の福祉作業所では、繊維工場などで不要になった糸を使って、障がい者の方たちがものづくりに励んでいます。しかし、販売先がないまま倉庫に眠っていました。
「これはかわいい! 倉庫に眠らせておくなんてもったいない」そう考えた滋賀県内で活躍するデザイナー集団が、“作りっぱなしの商品”から“買ってもらえる商品”にするために奮闘しました。
福祉作業所で働く障がい者の賃金は、全国的に見て月平均でおよそ13,000円程度。障害者年金と合わせても到底自立できる金額とはいえません。
重度の障がい者がきちんとした社会保障を受けられるようにするためにも、元気な障がい者が、税金を納められるぐらいの稼ぎを得られるようにする。coccoriの活動目的はそこにありました。
この事業によって、作り手たちには明らかに生活に張りが出てきたそう。基本的欲求は健常者と一緒。認められてその対価をもらうことが嬉しいのです。
coccoriではワークショップなども開催し、その取り組みを社会に発信しています。近江商人の心得「三方よし」は、自然と現代にも引き継がれています。