“フルーツほおずき”や“ストロベリートマト”、“ゴールデンベリー”とも呼ばれるケープグーズベリーは、そのまま丸ごと食べるほか、刻んでサラダに入れたり、チーズやヨーグルトなどとの相性も抜群です。

森清和さん・有理さん夫妻が新規就農したのは2010年のこと。「記憶に残る野菜づくり」をコンセプトに掲げ、農園のある高崎市倉渕町でしか作れない作物を考えた時に、ケープグーズベリーにたどり着いたといいます。ケープグーズベリーの原産地は南米のペルーと言われており、榛名山の西麓に位置する標高450〜900mの森農園の畑は、その環境に似ているのだとか。

「出会った瞬間、食べた瞬間に心動かされる“おいしさ”や、その時のシチュエーションを忘れられず、思わず人に伝えたくなるような野菜を作りたいと思っています」と森さん。
そのために、まず自家製造の堆肥を使った土づくりをして、微生物の数を増やします。そうすることで作物が素直に健康的に育つ環境を整えてあげるのです。
そして、土の中にいる微生物の営みを崩さないように農薬・化学肥料は使用しません。また、「太陽や雨など天の恵みを直に受けて育った野菜は瑞々しく、甘みや辛味、苦味、酸味がはっきりと出る味の濃い野菜になる」と、露地栽培にこだわります。

「農業は何年経っても1年生。毎年何かしらいつもと違う試練が訪れますが、今年はどうなるかな?と期待と不安を胸に作物と向かい合っています」と話す森さんたちが育てるケープグーズベリーは、9月上旬〜11月下旬の秋の味覚。記憶に残る味わいをぜひお試しください。