近年の漁業は、定置網漁やまき網漁といった大型の漁業が中心で、一度に大量の魚を獲るため、効率よく漁業がおこなわれますが、網の中で魚が内出血を起こすなど、鮮度の面では限界があることも知られざる事実。
それに対して、小型船漁業とは1~2人で船に乗り込み、様々な漁具を駆使して沿岸の魚を漁獲する伝統的な漁法で、少量ですが一本ずつ魚を釣るため良質な状態で魚を漁獲することができます。
大型船による混獲の影響から魚が減り小規模な小型船漁業は、長らく向かい風を受けていますが、今回ご紹介する一本釣りサバの干物は、この小型船漁業を活性化させうる、とあるアイディアから始まりました。
通常サバは、漁を終えると大、中、小と大きさに分けられてそれぞれの価格で仲買が買い取ります。しかし、400gに満たない「小小」サバは価格が安く、小型船漁師達はその半分以上を海に還してきました。
しかし実はこの小小サバ、シーズン中であれば、高価なサバと劣らず脂が乗って美味しいのです。また一本釣りで漁獲してすぐに干物にするため、海外産に比べて臭みがなく新鮮であることは言うまでもありません。
未利用だった小小サバを比較的安価に仕入れ、漁師自ら干物にして消費者に直接お届けするこの試み。サバは海外産には及ばないとお考えの方も、ぜひ一度お試し頂けたらと思います。