まるで真珠、村田農園のパールコーン

まるで真珠、村田農園のパールコーン

諸国良品

2024/05/01

空にむかって一心にぴん、と背をのばす茎の先には、花火のように開く淡い黄色の花。皮をむくと「真珠みたいに、真っ白できれいでしょ。」そう笑顔で話してくださるのは京都久御山町の村田農園代表村田さん。京都久御山町で京の伝統野菜など多種多彩の野菜をつくる「村田農園」は、代々継承してきた京都の伝統農業を大切に、新しいものとの融合にチャレンジしている農家さんです。

「パールコーンを栽培するのはとてもむずかしく、隔離栽培するなどの苦労と手間がかかっている。1本の苗から1本しか収穫しなく、だからこそ、感動のおいしさが生まれ、この味が楽しめるのはたった約1か月なのです。」

一筋縄ではいかないパールコーンの生産。その収穫適期も約1週間ほどしかなく、その期間を逃すと、味がのらなかったり、繊維質が残りやすくなるのだそうです。
「最初の1、2年なんて失敗の連続でした。試行錯誤を繰り返し、その感動のおいしさを1本の株に実を2つ実らせられないか、日々研究しています。」

記事内画像:001まるで真珠、村田農園のパールコーン

「ぜひ、そのままかじってみてください」と手渡されたパールコーンに思わず目を奪われました。とうもろこしってこんなにきれいな食べものだったんですね。ぱん、と張り大きく揃った粒に歯を立てると、ミルクのような白い果汁が弾け、滴り落ちました。その果汁の甘さといったら、瑞々しくさわやかでいて、舌にじんわり広がるんです。野菜なのに果物みたいな気持ちの良さに驚きしかありませんでした。

「野菜ってほんまに賢いんです、野菜が葉をつけ、花を咲かせ、実を実らせる。そのすべてにタイミングと理由がある。僕たち農家はそれを理解し、水をやったり、肥料を加えたり、野菜が育つ助けとなることが大切なんだと思います」と村田さんは言います。

記事内画像:002まるで真珠、村田農園のパールコーン

自然と向き合うこと、地域と関わり合うこと、お互いを思いやること、そのすべてがパールコーンの甘みにあらわれているのかもしれません。
「お客さんがあっと驚くようなものをつくりたいという想いが1番でね。やっぱり自分たちが納得したものを、おいしいと言ってもらえることが、農業を続けていくエネルギーになるんです」

「自分だけじゃない、従業員みんな、食べた人に感動を与えたいという想いは同じだと思います。食べものをつくる人間はこの気持ちを忘れたらだめですよね」と村田さんの言葉には農家として誇りという名のパールコーンの光が垣間見えました。

生産者紹介

  • 株式会社 村田農園

    生産者名 株式会社 村田農園 詳細

    京の伝統野菜「九条ねぎ」「加茂茄子」村田農園オリジナル「パールコーン」など。四季折々に変化する中で、多種多彩の野菜と六百年の伝統を誇る実付き・根付きの良い苗「淀苗」を栽培している農園です。先祖から継承した京都の伝統農業に恩恵を受けて、古き良きものを残し、新しいものと融合させて、日々、チャレンジして農業をしています。

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