「こんなに美味しい椎茸の出汁文化がなくなったらいかんやろ!」。そう話すのは、日南市北郷町で原木椎茸の生産・販売を家族で手がける『原木しいたけ 茸蔵(たけぞう)』代表の黒木慎吾さん。
ある日、木の栄養分だけで育つ「原木椎茸」と人工培地で育つ「菌床椎茸」の食べ比べをする機会があり、原木椎茸が、味、風味、食感、すべてにおいて豊かだということに衝撃を受けました。
会社を辞めて宮崎にUターン後、日本の伝統的な出汁文化を守る事を使命に、東京の一流シェフやお客さんの声を取り入れ、お客さんの笑顔を想像し日々椎茸の栽培をおこなっています。
たくさんある椎茸の菌種の中から、味、香りが際立ってよい菌種を選びました。木、栄養、水、そして木漏れ日の具合など、条件が整うと大きくて立派な椎茸が収穫できるのだと言います。
原木栽培の椎茸は、原木の栄養を受け大きく育っていきます。自ら北郷の山に入り、主成分である糖質やセルロースが多く含まれる時期の10月下旬から11月にかけて原木を伐採します。
原木栽培は、自然の中で菌が熟成され、食感・風味・栄養価がさらに増すと言います。口に入れた途端、椎茸嫌いの人でも「これは美味しい!」と口を揃えて言ってくれるそうです。