嶽きみはシーズンの8月中旬から9月中旬になると、岩木山へ続く道端に地元の生産者さんたちが露天を出店して販売します。そして、嶽きみを求める人たちの「嶽きみ渋滞」と呼ばれる車の行列ができるほど地元では大人気。
そんな嶽きみを育てる生産者は、現在10数軒のみ。そのほとんどが家族経営で、土作りから収穫まで種まき以外は手作業で行い、おいしい嶽きみを作るために誠実に向き合っています。
実は嶽きみ農家の多くはもともとは酪農家で、牛や豚のエサとしてトウモロコシを作り始めたところ、できたトウモロコシがとてもおいしく、嶽きみ農家に転身したんだとか。生産者の今部智和さんは「嶽きみは収穫した瞬間から糖度が下がり始めるため、なるべく早く食べてもらいたい」と話します。
収穫作業は毎日0時から始め、6時頃にはその日の分の収穫を終え、すぐに出荷作業に移っているそう。収穫を早朝に行うのは糖度が最も高いのが早朝のため。一粒一粒が弾けそうなくらいプリプリな鮮度の良い嶽きみには、今部さんたち生産者の“おいしいものを届けたい”という純粋な思いが詰まっています。