鴨川は明治天皇の即位式に献上されるお米の栽培地として指名されたほど、美味しいお米がとれる産地です。しかし、高齢化や中山間地の為、効率化が難しく、持続可能な農業を考えると「米の価値向上」が課題でした。そこで差別化が見込めるプリンセスサリーの栽培に挑戦することに。
早速栽培に取り掛かろうとするも、必要な量の種が入手できないという壁にぶつかります。1年かけて種の栽培からはじめ、2023年にはようやく作付けできるようになりました。プリンセスサリーは独特な香りが特徴の米。そのため時には生産者から、「育苗ハウス中、枝豆を茹でたような香りが漂っている!」というお話も。
インディカ米系統の栽培は初めてだった生産者も多く、生育状況を確認しに、圃場周りをしたり、栽培方法を共有し生産者同士が互いに技術を高め合っている場面も多く見られました。県の機関の方にも協力をいただき、無事に初収穫を迎えることができました。
しかし、収穫してからも難題が。初めての品種なので、選別作業に四苦八苦します。最初に収穫した生産者のところに集まり、籾摺りから試行錯誤。プリンセスサリーは日本のうるち米よりも細く、均一に選別することが難しい状況でしたが、どうにか納品可能な玄米の状態になりました。
関係者を集めて試食。室内中がプリンセスサリーの香りの特徴である「枝豆を茹でたような香り」がいっぱいに広がりました。炊き方次第でパラパラにももっちりにも炊きあがるプリンセスサリーは料理の幅が広がります。里のMUJIみんなみの里のシェフにはスープカレーからおむすびまで幅広くメニュ―を開発してもらいました。
プリンセスサリーは日本のお米とは違った味わいや香り・食感が楽しめる、食べるほどにおいしさを実感するお米。甘さ、旨味、香りを兼ね備えたプリンセスサリーを是非ご賞味ください。