徹也さんは、青果の販売業務を行っており当時から果物が大好きだったそうです。たくさんの農家さんと関わる機会も多く、時が経つにつれて「もっと深く果物と関わりたい」。そんな気持ちが強く芽生え、 果物農家として独立を決意しました。「農家は大変である」そう感じていた家族は、一度引き留めたこともあったそう。
一度は諦めかけていた徹也さんですが、どうしても「農家になりたい」その想いが諦めきれませんでした。そんな強い想いを感じた、美千代さんはじめご家族も応援する事を決めたのでした。1年後にはご縁もあって福島県へ移住をしました。果物の栽培が盛んで、美味しい果物が育つ土地である福島県。農業研修や近くの農家さんの元へ学びに行き、ついに自分たちのほ場をつくります。
土地によって相性がある果物。桃は水はけのよい場所や昔、田んぼであった所は不向きで、樹が育たないというような経験もしました。友人も知人もいない福島の土地で、不安を感じながらも美千代さんはさまざまな人とのつながりを見つけていきます。
野菜ソムリエの会や新規就農の仲間など、コミュニケーションを大切にすることで「些細な事」でも教え合える関係が生まれました。それは大内果樹園の果物づくりにもつながっています。「摘果の形の見極め方を先輩に教えてもらったり、勉強会に積極的に参加をして果物や土壌の勉強もしています。」仲間と切磋琢磨し、自身の技術がついてきたと感じた時に楽しさを感じるそうです。
そんな、日々の積み重ねが大内果樹園の果物の美味しさのポイントです。「こだわりがないのが、こだわりである」という徹也さん。基本に忠実に、そして樹の様子を確認するためによく畑に出向き、ささいな変化などに気が付くことで、少しでも異常があればすぐに対処して、常に健康な状態で過ごしてもらえるように心がけています。
2020年にはJGAP認証※を取得。「安心の証」であることがお客様に伝わって、果物離れをしている若い世代の方にも安心で美味しい果物をお届けしたいといいます。原動力はお客様の「美味しい」のお声。こつこつと丁寧に、毎年一年生の気持ちで自然と共に生き、 毎日畑に向き合い、おいしい果物を追い求めています。※(GAPとはGood Agricultural Practicesの略で、「良い農業の実践」)