「美味しいスイカを育てるには、まずは強い苗をつくること。そのためにスイカの苗は夕顔の苗に接ぎ木するんです」早速、秘訣を教えてくれたのは、魚沼市で米やスイカを栽培する荒井ファームの荒井一男さん。350年以上も続く農家の生まれで、40年以上に渡ってスイカをつくり続けています。
夕顔の苗に一つひとつ接ぎ木するだけでも一苦労ですが、美味しいスイカづくりのためには手間ひまを惜しみません。堆肥には長年試し続けてきた結果たどり着いた、もみがらやおからを使った自家製の完熟堆肥を使用。農園横に積み上げられた山は、自分たちで配合した堆肥の山でした。
また、高い畝をつくることで根を深く張らせ、地表の水はけを良くすることが、病害を防ぎ健康なスイカを育てるコツだそう。こうして八色産スイカは収穫までのあいだ、真夏の強い日差しを受け光合成によって蓄えられた糖分を、夜間の冷え込みから守るために実にため込むという流れを繰り返し、甘くてみずみずしいスイカができるんだそうです。
一般的に11度を超えれば甘いと言われるスイカですが、八色産スイカの糖度は平均約13度。果肉の赤と果皮の白の部分のコントラストが明確で、赤い実の部分は際まで甘いと評判。「八色産のスイカに外れなし」といわれる所以です。
食べやすい大きさにカットして上からかぶりつくと、シャリシャリとした食感と、ジューシーで抜群の甘みが口いっぱいに広がります。「夏といえば八色原のスイカ。八色原のスイカといえば夏が来る」といわれる魚沼の夏の風物詩。是非、ご賞味ください。