「山のフグ刺し」と表現される、小菅村の刺身こんにゃく

キービジュアル画像:「山のフグ刺し」と表現される、小菅村の刺身こんにゃく

諸国良品

2019/07/19

山梨県の東部、東京都奥多摩町に隣接する小菅村。村の特産品の一つに「こんにゃく」があります。「日喜屋」の木下ご夫妻が作る白くてみずみずしいこんにゃくは、わさび醤油をつけて食べるとまるでフグのお刺身のよう。総面積の95%を森林が占める小菅村では、昔海の幸の代わりにこんにゃくを食べていたそうで、お正月などのお祝い時には各家庭で必ずこんにゃくを作っていたといいます。

小菅村の象徴と言われるのが、最大傾斜が40度ともいわれる急斜面を利用した「掛け軸畑」。この地域に伝わる在来種のこんにゃく芋が育てられている場所です。こんにゃく芋は多湿にとても弱いため、水はけがよく傾斜のある畑が栽培に適しているんだそう。また、畑は南向きのことが多いそうなのですが、小菅村のこんにゃく芋は4年の歳月をかけてじっくり成長するため、北向きの畑の場合、冬にこんにゃく芋が凍ってしまう懸念があるのだとか。

また、木下さんのこんにゃく芋は無農薬栽培で「量より質を優先している」と話します。農薬を使う代わりに、こんにゃくとライ麦を一緒に育て、集中豪雨などで土砂が流れるのを防いだり、麦類を好む害虫アブラムシを寄せ付けて病害から守ったりと工夫しています。

丹精を込めて育てたこんにゃく芋を使ったこんにゃくづくり。材料はこんにゃく芋と水、凝固剤ととてもシンプル。だからこそ、原料の質に味わいが左右されます。小菅村は多摩川の源流に位置しており、こんにゃくづくりに使用する水は近くの沢水を沸かしたもの。多摩川源流のキレイな水も、こんにゃくの味わいに関わっているようです。

そんな手づくりこんにゃくのオススメの食べ方は、薄く切って同じく小菅村の特産である生わさびと醤油をつけること。ほかにも、酢味噌和え、ゴマ和え、煮物にしても楽しめます。

昔から「胃のほうき」などと言われ、腸の動きを活発にし、体内の有害なものを外へ出す効果が期待できるとされるこんにゃく。約97%が水分でできているので、カロリーを気にする人にもありがたい食べ物です。小菅村でしか栽培されていないこんにゃく芋を使った手づくりこんにゃくを、ぜひ御賞味ください。

生産者紹介

  • 供給者画像:生産者名 日喜屋

    生産者名 日喜屋 詳細

    山梨県小菅村で、「日喜屋」の屋号でこんにゃくや梅干しなどを原料から作っています。

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