「私の枝豆栽培のきっかけになったのも味緑なんです」そう語るのは、枝豆農家の二代目として生まれた「タムラファーム」の田村晶美さんです。
寝る間も惜しんで仕事に繰り出す両親の姿は、幼心にはあまり良い思い出はなく、卒業後、就農はせずに、自身で建設会社を起ち上げて営んでいたそうです。しかし、建設業界の仕事が少し落ち着いてきたタイミングで、両親の枝豆栽培を手伝うことになった田村さん。手をかければかけるほどおいしくなっていく枝豆栽培に、徐々にのめり込んでいきます。
そんな矢先、父親が急病で他界。急遽、家業を継ぐことになった田村さんは、見よう見真似で枝豆づくりに励むも、なかなか始めは上手くいかなかったそうです。試行錯誤を重ねながら、ようやく出荷できた枝豆。そんな枝豆を食べたお客さんから数日後、1通の手紙が届きます。そこには「味緑」の味への感動と、生産者への感謝がつづられていました。
このハガキがきっかけで、農家として歩んでいく決心がついたと話す田村さん。その後も、いかにおいしい枝豆をつくるかに注力するようになっていきます。
「なんといっても土づくり。微生物が活動しやすい有機質の堆肥を入れ続けて3年から5年すると、ようやく良い土になってくるんです」田村さんがいう良い土とは、水保ちが良くて、水はけも良い土。実際、畑に足を踏み入れると、ふかふかながら弾力のある土の踏み心地でした。
また、寒暖差もおいしい枝豆が育つ秘訣といいます。そのため、タムラファームでは6~10月までの間、絶え間なくおいしい枝豆が収穫できるよう、異なる標高ごとに圃場を構えています。その広さはなんと東京ドーム10個分ほどの50ヘクタール!徐々に標高の高い畑のものが収穫されていくので、後半にかけてさらにおいしくなっていくそうです。農薬使用も、多くて夏場の一番暑い時期で3回に限定しているとのことで、安心安全へのこだわりも忘れていません。
収穫は直射日光を避け朝採り、収穫後すぐに選別し洗って袋詰めし、保冷を徹底。発送も、発泡スチロールの箱に保冷剤を入れてお送りしていますので、翌々日着エリアまでに限定しています。「枝豆は収穫仕立てが一番の食べ頃。ですので、できるだけ鮮度の良いうちに食べて頂きたい」とその理由を話します。天狗印の枝豆として出荷するには、実入りや大きさなどクリアしなくてはなりませんが、田村さんの枝豆は、房がパンパンになるほどの実の大きさでした。食べ応えのある食感と、噛むたびに香りとコク、上品な甘みが口いっぱいに広がる枝豆を、是非ご賞味ください!